テレキャスターの見た目や音が好きでも、「初心者には難しい」と聞くと、最初の1本に選んでいいのか迷いますよね。
だからといって「初心者には難しいのかも」と思って、テレキャスターを諦めなくて大丈夫です。
ただ、弦が押さえづらい場合と、リアの音が耳に痛い場合では、試したいことが違います。どちらも「テレキャスターだから仕方ない」で済ませず、困っている部分から確かめてみましょう。
すでに持っているなら、買い替える前にできる調整や音作りを紹介します。これから買う人には、弾き心地や予算の違いから選べる3モデルを紹介します。
テレキャスターは初心者でも選べるギター
見た目や音が好きなら、最初の1本にテレキャスターを選んでいいと思います。
使い方も、一般的なモデルならピックアップを切り替えるスイッチと、ボリューム・トーンのつまみから覚えられます。覚える操作が少ないのも、始めやすいところです。
ただ、操作は覚えやすくても、弦が高すぎれば押さえるのは大変です。音も、リアだけで「自分には合わない」と思った場合、フロントやミックスでは好きな音が出るかもしれません。
だから、自分に合わないと決める前に、弦を無理なく押さえられるか、ネックが握りやすいか、弾きたい曲に合う音が出せるかを確かめてみてください。
テレキャスターが弾きにくいと感じる原因
コードを押さえるには練習が必要ですが、つらいと感じるほど押さえづらいなら、ギターの状態も確かめたいです。
弦高などの調整が合っていない場合は、指の力だけで乗り切ろうとしなくていいです。
見直す場所は、弾きにくさの原因によって変わります。弦が押さえづらいのか、ボディの角が当たるのか、コードの音程がずれるのかを、順に確かめてみましょう。
弦を押さえにくいときの弦の太さと弦高
弦を押さえるのがつらいなら、まず弦の太さと「弦高」を見ておきたいです。弦高は、フレットから弦までの高さを指します。
弦高が高いと、フレットに弦が触れるまで深く押し下げる必要があります。そのぶん、コードを押さえるときに力が必要になります。
この押さえづらさにはネックの反りも関わるので、お店でネックと弦高を一緒に見てもらうと安心です。
弦高とは別に、弦の張りが強く感じられることもあります。ただ、「中が空洞ではないソリッドボディだから、弦が硬い」というわけではありません。
張りの強さには、弦の太さや合わせる音程、弦が振動する部分の長さが関係します。この長さを「スケール」と呼び、D’Addarioの解説でも、同じ弦を同じ音程に合わせる場合は、スケールが長いほど張りが強くなると説明されています。
一般的なテレキャスターとストラトキャスターは、どちらも25.5インチのスケールです。
つまり、スケールだけで「テレキャスターの方が押さえづらい」とは言えません。
それでも弦の張りが強く感じられるなら、細めの弦に替える方法もあります。ただ、弦の太さを変えると、ネックや弦高の調整が必要になることもあるので、交換と合わせて相談してみてください。
ネックの握り心地とボディの当たり方
弦や弦高を見直しても握りにくいなら、ネックの形や手触りも比べてみたいです。
薄いネックが好きな人も、少し厚みがある方が握りやすい人もいます。手が小さいから、いちばん細いネックを選べばいいとは限りません。
だから、手の大きさだけで決めず、いつも練習しているコードを押さえて、自分の手で比べてみてください。
比べるときは、ネックの裏の仕上げにも注目したいです。つやを抑えたサテン仕上げと、つやのある光沢仕上げでは、手触りが違います。
その違いは、コードを押さえたあと、フレット間で手を動かすと確かめやすいです。
左手の動かしやすさを確かめたら、ボディが右腕や脇腹へどう当たるかも見ておきましょう。座って構えたときに角が気にならないか、立って弾くならストラップを付けても構えやすいかを試してみてください。
ストラップを付けて構えたときに重さが気になるなら、テレキャスターの重さと選び方も参考になります。
チューニングのずれと、押さえた音のずれの違い
押さえやすさや構え方に問題がなくても、チューナーで合わせたのに、コードの音程がずれて聞こえることがあります。
そのときは、フレットを押さえずに鳴らす「開放弦」と、押さえたあとの音を比べてみましょう。開放弦が合っていても、フレットを押さえた音程はずれることがあります。
このずれを整えるのが「イントネーション調整」です。
例えば、Fenderの解説では、12フレットのハーモニクスと、12フレットを押さえた音を比べる方法が紹介されています。
| 気になる症状 | まず確かめること |
|---|---|
| 開放弦の音からずれている | チューニングする。何度もずれるなら、弦の張り方や状態をお店で見てもらう |
| 開放弦は合うのに、押さえるとずれる | イントネーションなどの調整を、お店で見てもらう |
この調整で動かすのが、ブリッジに付いた「サドル」です。弦が乗る部品で、位置を変えると、フレットを押さえた音程も変わります。
ただ、3連は2本の弦で一つのサドルを使い、6連は1本ずつ位置を動かせます。

矢印は、押さえた音程を合わせるために動かす向きです(イメージ)
そのため、3連では一つのサドルを動かすと2本の弦の音程が変わり、両方がなるべく合う位置を探します。
ここで違うのは、押さえた音程を1本ずつ調整できるかどうかです。「3連はチューニングがすぐ狂う」「6連なら調整しなくても合う」という話ではありません。
3連サドルの見た目が好きなら、自分で調整するのが不安でも、購入時にイントネーション調整をお願いできるかをお店へ聞いてみてください。
テレキャスターの音作りで迷ったときの調整順
コードの音程とは別に、リアの高音がきつくて「好きな音にならない」と感じることもあります。
その音が苦手でも、リアだけでテレキャスターが自分に合わないと決めず、フロントやミックスも聞いてみてください。
切り替えても高音がきついなら、ギターのトーン、アンプの設定の順に試してみましょう。一つずつ動かすと、好みの音に近づいた操作が分かります。
ピックアップの切り替えとトーンの使い方
シングルコイルのピックアップが2つ付いた一般的なテレキャスターは、フロント・ミックス・リアの3通りを切り替えられます。
フロントはネック側、リアはブリッジ側のピックアップを使う位置です。ミックスでは、その両方を使います。
この3通りを、同じコードやフレーズで聞き比べると、切り替えた音の違いが分かりやすいです。
好みに近い位置が見つかったら、つまみでも調整してみましょう。ボリュームは音量、トーンは高音の出方を変えます。
例えば、リアの音が耳に痛く感じるなら、トーンを少し下げてみてください。

操作部の配置はモデルによって違いますが、一般的な2シングルコイルのモデルなら、次の順で試せます。
- リアで短いコードやフレーズを弾く。
- フロントに切り替え、同じコードやフレーズを弾く。
- ミックスも聞き、好みに近い位置を選ぶ。
- まだ高音がきついなら、トーンを少しずつ下げる。
トーンを下げる量も、弾きながら決めて大丈夫です。「7にすれば正解」というものではなく、アンプや音量でも聞こえ方は変わります。
アンプの高音と歪みの見直し
トーンを動かしても音がきついなら、アンプの高音や歪みも見直してみましょう。
高音は「Treble」、歪みの量に関わるつまみは「Gain」と書かれていることがあります。名前や働きはアンプによって違うので、分からなければ説明書を見てみてください。
どのつまみを動かすか分かったら、一つだけ動かし、同じフレーズを弾くようにします。
高音がきつい場合は、まず高音の設定を少し下げて聞いてみましょう。歪みも強ければ一度控えめにしてから、弾きたい音になるまで少しずつ戻してみます。
また、これから買う人で、強く歪ませたときのノイズが気になるなら、ハムバッカー付きも比べてみたいです。
ただし、ハムバッカーがフロント・リア・両方のどこに付いているかで、使える音も違います。ハムバッカー付きテレキャスターの選び方では、その配置と弾きたい音からモデルを比べられます。
初心者が比較したいテレキャスター3モデル
シングルコイルのテレキャスターの音が好きなら、予算、ネックの手触り、好きな見た目からモデルを選んでいきましょう。
ここでは、出費を抑えたい人にAffinity、Fenderが欲しい人にPlayer II、昔ながらの見た目が好きな人にClassic Vibe ’50sを紹介します。
比較するのは、いずれもシングルコイルを2つ載せたモデルです。メーカー公表の仕様に基づく比較で、僕が3本を弾き比べた感想ではありません。
| モデル | こんな人に | ネックの裏 | サドル | 買う前に見ておきたいこと |
|---|---|---|---|---|
| Squier Affinity Telecaster | 最初の予算を抑えたい | サテン仕上げ | 6連 | 調整サービス、付属品を含めた金額 |
| Fender Player II Telecaster | Fenderが欲しくて、ネックの作りも気になる | サテン仕上げ。指板の端を丸めた作り | 6連 | 握り心地、色、Affinityとの価格差 |
| Squier Classic Vibe ’50s Telecaster | 昔ながらの見た目が好き | 光沢仕上げ | 3連 | 手触り、押さえた音程の調整状態 |
Affinity Telecaster|予算を抑えて始めたい人向け
ギターを買ったあとに、アンプやチューナーのお金も残したいなら、まずAffinityから考えてみてください。

Affinityは、最初の1本にかける金額を抑えやすいモデルです。サドルは6連で、ネックの裏はサテン仕上げになっています。
ただ、6連サドルでも、買ったときから音程が合っているとは限りません。
そのため、弦高や音程を調整してもらえるか、届いてから相談できるかも確かめたいです。付属品もお店やセットによって違うので、ケースが付くかも見ておきましょう。
Affinityで好きな色を選んだら、販売ページの価格と付属品を見てみてください。必要な道具までそろえた金額が分かれば、アンプに回せるお金も考えられます。
Player II Telecaster|ネックの仕上げにもこだわりたい人向け
道具の予算も考えたうえで、「せっかく買うならFenderが欲しい」と思うなら、Player IIも気になりますよね。

Player IIは、ネックがModern Cと呼ばれる形で、サドルは6連です。ネックの裏はサテン仕上げで、指板の端は丸められています。
この指板の端は、ネックを握ると手が触れる部分です。
お店で試せるなら、その当たり方も比べてみてください。丸めた作りが好みに合う人もいますが、誰にとってもAffinityより握りやすいとは限りません。
Fenderやネックの作りが好きだから、Affinityより多く払う選び方はあります。ただ、「高い方が早く上達しそう」という理由で予算を増やす必要はありません。
価格差で迷うなら、その差額をアンプや道具に回した方が嬉しいかも考えてみましょう。
それでもPlayer IIが欲しいなら、好きな色の価格を見て、納得して買える金額かを確かめたいです。販売ページでは、この記事で紹介したピックアップが2つともシングルコイルのモデルかも見ておいてください。
Classic Vibe ’50s Telecaster|昔ながらの見た目が好きな人向け
Fenderへの憧れとは別に、昔ながらのテレキャスターの見た目が好きなら、Classic Vibe ’50sも比べてみたいです。

特徴は、3連サドルと、色味を付けた光沢仕上げのネックです。
この光沢のあるネックは、AffinityやPlayer IIのサテン仕上げとは手触りも違います。コードを押さえたり、フレット間で手を動かしたりして、好みに合うか比べてみてください。
手触りと合わせて、3連サドルの調整が気になるなら、購入時に押さえた音程を調整してもらえるかを、お店へ聞いてみましょう。
自分で調整するのが不安だからといって、好きな見た目を諦める必要はありません。一方、弦ごとにサドルを動かしたい人や、サテン仕上げが好きな人には、AffinityやPlayer IIという選択肢もあります。
昔ながらの見た目が好きで、光沢のあるネックも握りやすいなら、Classic Vibe ’50sを選んでいいと思います。
好きな色の写真と合わせて、販売店の調整サービスや保証も見ておきましょう。買ったあとに音程が気になった場合も、購入先へ相談できると安心です。
購入前に確認したい弾き心地と調整状態
気になるモデルが見つかったら、できれば買おうとしているギターを手に取ってみてください。
自分の手に合うかは、仕様だけでは分かりません。気になる部分と、購入時の調整や保証を、その場で相談してみましょう。
試奏で確かめるコード・ネック・構え方
試奏で難しいソロを弾く必要はありません。普段練習しているコードや短いフレーズで、押さえやすさを確かめられます。
まだ弾けるものが少ないなら、初心者だと店員さんに伝えて、コードの押さえやすさを一緒に見てもらいましょう。
そのとき、押さえる力だけでなく、手触りや構え方、音も比べてみてください。
- 低いフレットでコードを押さえたとき、力を入れすぎていないか。
- フレット間で手を動かしたとき、ネックの手触りが気にならないか。
- 座ったときと、ストラップを付けたときに構えやすいか。
- ピックアップを切り替えた音が、弾きたい曲に合いそうか。
ただ、押さえづらく感じても、すぐに「このネックは合わない」と決めず、弦高が高すぎないかを聞いてみてください。調整で押さえやすくなる場合もあります。
中古を選ぶときの状態と保証
中古まで探すと、同じ予算で買えるモデルが増えることもあります。
ただ、古いギターなら弾きやすい、というわけではありません。「古いからネックが安定している」「使い込まれているから初心者でも弾きやすい」とは決めつけず、買おうとしている1本の状態を、お店へ聞いてみてください。
| 見ておきたいところ | お店に聞きたいこと |
|---|---|
| ネックとフレット | 反りやフレットの減りは、演奏や調整に支障がないか |
| 調整 | 調整済みか。弦高やイントネーションも相談できるか |
| 改造と動作 | 交換された部品はあるか。スイッチやつまみは正常に動くか |
| 保証と返品 | 保証の内容と期間、返品できる条件 |
| 全部でかかる金額 | ギター代と、必要な調整・修理代を足して予算に収まるか |
ネックやフレットの状態を自分で判断できないなら、値段だけで個人売買を選ぶより、状態を説明してくれて、保証もあるお店で探したいです。
また、中古と新品の価格差が小さい場合や、修理代が分からない場合は、新品も比べてみてください。ギター代が安くても、購入後の費用で合計金額が高くなることがあります。
まとめ|気になるテレキャスターがあったら、まず触ってみよう
すでに持っているなら、弦の押さえづらさ、リアの高音、押さえたコードの音程のどこが気になるかを確かめてみてください。
その困り方に合った調整や音作りで、押さえづらさや音の悩みが軽くなることもあります。買い替える前に、今の1本でできることを試してみましょう。
一方、これから買うなら、予算と見た目で気になるモデルを絞り、握り心地と購入先の調整・保証を確かめる順で考えてみてください。
- 必要な付属品も合わせた金額で、予算を考える。
- 好きな見た目やネックの作りに、その金額を出したいか考える。
- 購入時の調整と、買ったあとの相談先を確かめる。
今回の3本に好きな見た目や予算に合うものがなければ、テレキャスターの予算別の選び方で、ほかのモデルも比べられます。
気になる1本が見つかったら、まずはお店で持って、いつも練習しているコードを押さえてみてください。「初心者には難しいらしい」という話だけで諦める前に、自分の手に合うかを確かめられます。
