初心者向け|弾きやすいギターを予算と用途から選ぶ

ギブソンの品質低下はいつから?年代別の評判と現在の品質を整理

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「昔のギブソンは良かったけど、最近は品質が落ちた」と聞くと、これから高いギターを買う人ほど気になります。

ただ、ギブソンの品質低下について調べると、1970年代、90年代、2000年代などさまざまな年代が挙げられており、話がかなり混ざっています。

先に結論をまとめると、

  • 品質への批判が強まるきっかけは1969年以降の経営・生産方針の変化
  • 特に1970年代のギブソンは、50〜60年代と比較されて低く評価されるようになった
  • 「90年代が最も品質の悪い暗黒期」と一括りにできる根拠は弱い
  • 1986年には経営陣が変わり、品質を重視した再建が進められた
  • 2018年のChapter 11も「ギターの品質が悪かったから」と単純には説明できない
  • 現在買うなら、年代だけでなく実際の個体と販売店の検品・調整まで見る方が現実的

つまり、「○年以降のギブソンは全部ダメ」と覚えるより、なぜ特定の年代に悪評が生まれたのかを知った方がギター選びには役立ちます。

目次

結論|「品質低下」は1970年代から語られるが年代だけでは決められない

ギブソンの品質低下を「いつから?」という問いに絞るなら、大きな起点は1969年以降、特に1970年代と考えるのが自然です。

ただし、これは70年代製のギブソンがすべて低品質という意味ではありません。

評判の大きな起点は1969〜1986年のNorlin期

1969年、ギブソンを所有していたCMIとECLの統合によってNorlin Industriesが成立。その後の時代は、一般に「ノーリン期」と呼ばれています。

この時期には生産の効率化・コスト削減とともに、ギターの仕様にもさまざまな変更が入りました。

レスポールで知られているものだけでも、

  • 複数ピースのネック
  • メイプルネック
  • パンケーキ構造のボディ
  • ヘッド付近のボリュート
  • ヘッド角の変更

などがあります。

楽器史家トニー・ベーコンによるReverbのギブソン史の整理でも、1970年代後半から80年代初頭にかけて「古いギターの方が良い」「70年代のギターは悪い」という評価が定着していった経緯が紹介されています。

ここが、現在まで続く「昔のギブソンの方が良かった」というイメージの大きな起点です。

ただし同じ資料では、70年代製を実際に評価すると、当時の悪評は必要以上に大きかったのではないかという楽器店関係者の見方も紹介されています。

つまりノーリン期は評価の低かった時代ではあるものの、70年代製=ハズレと決めつけるのも正確ではありません

「90年代は暗黒期」と一括りにする根拠は弱い

「90年代のギブソンは品質が悪い」と書かれている情報もありますが、ここは注意が必要です。

1986年にはHenry Juszkiewiczらがギブソンを買収し、ノーリン期は終了しています。

Harvard Business Schoolが紹介するギブソンの再建史では、1986年当時のギブソンは経営的に厳しい状態にあり、その後は製品品質への取り組みなどによって再建されたとされています。

そのため、

70年代から品質が低下
→ 80年代にさらに悪化
→ 90年代が最悪

という単純な流れにはできません。

もちろん90年代製にも個体差はありますし、すべてが高品質だったとも言えません。

しかし、90年代全体を「避けるべき年代」と判断するより、モデル・製造年・個体の状態を確認する方が合理的です。

ギブソンはなぜ「品質が悪くなった」と言われるのか

この話がややこしくなるのは、「品質」という言葉の中に、作りの精度だけでなく音や仕様の好みまで混ざっているためです。

ここは分けて考えた方が分かりやすくなります。

Norlin期の仕様変更と黄金期との比較

ギブソン、とくにレスポールでは1950年代後半のモデルが非常に高く評価されています。

その基準で70年代を見ると、ボディ構造やネック材、ヘッド周辺などに違いがあるため、「昔と違う」という評価が生まれやすくなります。

ただ、仕様が変わったことと製造品質が悪いことは同じではありません

たとえば重量のあるレスポールが好きではない人にとって、70年代の重い個体は低評価になりやすいでしょう。

逆に、その時代特有の音や仕様を好む人なら評価は変わります。

現在はノーリン期のギブソンもヴィンテージ市場で取引されており、70年代というだけで価値のないギターとして扱われているわけではありません。

音の好みと仕上げ・品質管理は分けて考える

購入するときに問題として見た方がいい「品質」は、もっと具体的です。

見るところ判断したいこと
ネック大きな反りやねじれがないか
フレット極端な浮きや消耗、引っかかりがないか
ナット溝や弦の状態に問題がないか
塗装・バインディング許容できない仕上げ不良がないか
電装スイッチやポット、出力に問題がないか
演奏性弦高やネック形状が自分に合うか

「50年代っぽい音がしない」は好みの話ですが、ネックやフレット、電装などに問題があれば購入後の調整や修理に直結します。

品質低下という曖昧な評判より、自分の個体で何が問題なのかを見る方が重要ということです。

一部のハズレ個体だけで年代全体は判断できない

ギターは木材を使った楽器なので、同じモデル・同じ年式でも重量や鳴り、ネックの感触まで完全には揃いません。

さらに中古なら、保管環境や前オーナーの扱い、改造・修理歴まで加わります。

そのため「2005年製が悪かったから2000年代はダメ」「90年代製が良かったから90年代は全部良い」といった判断もできません。

ネット上のレビューは参考になりますが、一つの個体についての感想と、その年代全体の品質評価は分けて読む必要があります。

2018年前後でギブソンはどう変わった?

もう一つ、ギブソンの品質を語るときによく出てくるのが2018年です。

この年にギブソンはChapter 11を申請していますが、これも品質問題とそのまま結びつけることはできません。

2018年のChapter 11は品質低下だけが原因ではない

2018年5月、Gibson BrandsはChapter 11による再編手続きに入りました。

ただ、当時発表された再編計画を見ると、負債を減らし、事業を楽器を中心とした体制へ戻すことが大きな目的になっています。(Gibson Brands発表)

つまり、

ギターの品質が悪くなった
→ 売れなくなった
→ 倒産した

と説明するのは単純化しすぎです。

ギター以外にも事業を広げていた会社全体の経営と、一本一本のギターの品質は切り分けて考える必要があります。

経営陣刷新後の2019年にラインナップを再編

2018年の再編後、ギブソンは新しい経営体制へ移行。

2019年にはギブソン公式から「オリジナル」「モダン」「カスタム・ショップ」の3コレクションが発表されました。

現在のギブソンを考えるうえでは、この2019年前後も一つの区切りになります。

特にオリジナル・コレクションでは、レスポール・スタンダード50sのように過去の定番仕様を意識したモデルが展開されています。

現行ギブソンも「絶対に品質が良い」とは言い切らない

経営体制やラインナップが変わったからといって、「2019年以降なら何を買っても大丈夫」と考えるのも極端です。

現在もギブソンはLes Paul Standard ’50sをはじめ、多数のモデルを販売しています。

現行のStandard ’50sでは、マホガニーボディ+メイプルトップ、ローズウッド指板、ABR-1ブリッジ、Burstbucker 1・2など、50年代を意識した仕様を採用。

これはノーリン期とはかなり違う方向性です。

だからといって、実物を確認せず「現行なら当たり」と決める必要もありません。

高額なギターほど、ブランドや製造年だけで安心せず、実際の個体を見る。結局これが一番です。

今ギブソンを買うなら年代より個体を確認したい

昔のギブソンをコレクションするのでなければ、「品質低下は何年からか」を調べ続けるより、購入予定の一本を確認する方が失敗を減らせます。

新品と中古では見るべきところも少し違います。

新品で確認したい仕上げ・ネック・フレット周り

新品なら、まず以下を見ておきたいところです。

  • ネックの状態と弦高
  • フレット端やバインディング周辺の仕上げ
  • ナットやチューニングの状態
  • スイッチ・ボリューム・トーンの動作
  • 塗装やインレイなど外観上の気になる部分
  • 自分が許容できる重量と弾き心地
  • 販売店での検品・調整、購入後の保証

弦高や軽いビビリはセットアップで変わることもあるため、それだけで「不良品」と判断する必要はありません。

反対に、数十万円するギターだからといって、気になる部分を我慢して買う必要もないでしょう。

ギブソン自身もエレクトリックギター購入時の確認ポイントとして、演奏性や信頼性、保証内容などを確認するよう案内しています。

通販なら写真とスペックだけでは分からない部分もあるため、出荷前に検品や調整を行っている販売店かどうかまで含めて選びたいところです。

中古は修理歴やネック状態まで見る

中古ギブソンでは製造年代より、その個体が現在どんな状態なのかがさらに重要になります。

特に確認したいのは、

  • ネックやトラスロッドの状態
  • フレットの残り
  • ヘッドやネックの補修歴
  • ピックアップや電装系の交換
  • ナット・ペグ・ブリッジなどの交換
  • オリジナルパーツの有無
  • 改造やリフィニッシュの有無

修理やパーツ交換があるから悪いギターというわけではありません。

きちんと修理された個体なら演奏上問題ない場合もあります。

ただ、オリジナル状態かどうかは中古価格にも関わるので、「音が出るからOK」だけでは決めない方が安心です。

レスポールの「当たり年」を探すなら年代別記事へ

ここまで読んで、

「じゃあ中古レスポールは何年製を選べばいい?」

というところまで候補が絞れているなら、品質低下の歴史より年代ごとの違いを見た方が早いです。

レスポールスタンダードの当たり年と年代別の特徴では、中古を選ぶ人向けに年代を分けて整理しています。

この記事では「品質低下はいつから?」という疑問までに留め、具体的な当たり年は年代別記事で確認するのがおすすめです。

ギブソンの品質低下についての結論

ギブソンの品質低下について、特定の一年を境に突然悪くなったと考えるのは適切ではありません。

歴史を追うと、1969年以降の経営変化と1970年代の仕様・生産方針の変更によって、それ以前のギブソンと比較した悪評が形成されていった流れが見えてきます。

一方で、その評価を90年代や2000年代、現在のギブソンへそのまま当てはめることもできません。

購入前なら、次の順番で考えると分かりやすくなります。

  1. 「○年代は全部ダメ」という情報だけで候補から外さない
  2. 評判が仕様の好みなのか、実際の不具合なのかを分ける
  3. 新品なら仕上げ・演奏性・検品や保証まで確認する
  4. 中古なら年代以上に現在の状態と修理・改造歴を見る
  5. 年代から中古レスポールを選びたい場合は当たり年の比較へ進む

70年代のギブソンに悪い評判があったこと自体は確かですが、その時代のギターも現在では再評価されています。

そして現行モデルを買う人にとって重要なのは、昔の評判だけではありません。

「ギブソンは何年からダメなのか」ではなく、「目の前の一本に納得してお金を払えるか」まで確認する。

高額なギターだからこそ、この選び方の方が後悔は少なくなります。

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