アコギとエレキ、ギターを始めるならどちらにするか迷いますよね。
弦の押さえやすさでは一般的にエレキが有利ですが、きれいに演奏するためには、どちらも練習が必要です。
ただ、人気や指への負担だけで決めると、「本当はあの曲を弾きたかったのに」と感じることもあります。
最初の一本を選ぶなら、弾きたい曲と、家で練習できるかも一緒に考えてみましょう。必要な道具まで含めて比べると、自分に合うほうが見えてきます。
- 最近楽器を始めた人の調査では、どちらが多かったか
- 指への負担と、演奏でつまずきやすい点の違い
- 弾きたい曲・練習場所・予算から選ぶ最初の一本
アコギとエレキはどっちが人気?
今回確認できた調査では、アコギを始めた人の割合がエレキより多くなっていました。
2025年12月に公表された楽器演奏に関する調査では、ここ3年以内に楽器を始めた10代後半〜40代前半の男女300人に、始めた楽器を尋ねています。
| 始めた楽器 | 回答者に占める割合 |
|---|---|
| アコースティックギター | 17.0% |
| エレキギター | 10.0% |
この数字は、楽器を始めた回答者300人全体に占める割合です。全国のギター愛好家すべての割合や、販売台数を比べた数字ではありません。
この調査ではアコギが上回った、という範囲で、人気を知る一つの参考にしておきましょう。
一方、エレキにはアンプを通した音や、好きなバンドのフレーズを弾く楽しさがあります。人数の多いほうを選んでも、弾きたい音が出せなければ物足りなくなってしまいますよね。
人気は参考にしつつ、続けられそうなほうを選びたいところです。そこで気になるのが、指への負担や練習の難しさでしょう。
アコギとエレキはどっちが難しい?
最初にコードを押さえる負担は、一般的なスチール弦のアコギのほうが大きめです。エレキは細めの弦を使うことが多く、押さえ始めは比較的楽な傾向があります。
ただ、押さえやすいことと、曲をきれいに弾けることは同じではありません。
エレキにも、音が大きくなるからこそ気をつけたい部分があります。
| 比べる点 | アコギ | エレキ |
|---|---|---|
| 弦を押さえる負担 | 一般的な弦では力が必要になりやすい | 細めの弦では比較的軽い力で押さえやすい |
| 演奏で気をつける点 | コードの各音や、弾く強さをそろえること | 鳴らさない弦を止め、余計な音を出さないこと |
| 弾き始める準備 | アンプなしでそのまま演奏できる | アンプなどの接続や、音量の設定が必要 |
この表は、最初に意識しやすい違いをまとめたものです。
アコギにも余計な音を止める練習は必要ですし、エレキでもコードの各音や弾く強さをそろえる練習は欠かせません。
弦を押さえる負担はアコギが大きめ
よく使われる弦を比べると、アコギはエレキより太めのスチール弦を張ることが多く、コードを押さえるときに力が必要になりやすいです。
始めたばかりだと、指先が痛くなったり、押さえたはずの弦から音が出なかったりすることもあります。一本の指で複数の弦を押さえるFコードなどは、特につまずきやすいところでしょう。
とはいえ、アコギを弾きたいのに、指への負担だけを理由にエレキへ変える必要はありません。
最初は押さえる弦が少ないコードや、ゆっくりした曲から練習できます。痛みを我慢して長時間続けるより、休みながら、余分な力を入れずに押さえる感覚を覚えていきましょう。
エレキは余計な音を止める練習も必要
エレキでアンプを使うと、弾きたい弦だけでなく、うっかり触れた弦の音も聞こえやすくなります。
特に音を歪ませると、余計な音が混ざって演奏がにごることがあります。
そこで必要になるのが、鳴らさない弦に手を軽く触れて、音を止める「ミュート」です。
左手で弦を押さえる練習に加えて、右手や左手で余計な音を止める練習も進めます。力いっぱい押さえるより、鳴らす弦と鳴らさない弦を意識することが大事になってきます。
アンプを通した音を聞きながら練習すると、止め切れていない音にも気づきやすくなります。
エレキは押さえやすい傾向があっても、余計な音を出さない練習は必要ということですね。「同じコードなのに、弾き方や聞こえ方はどこまで変わるの?」と気になったら、アコギとエレキの違いで、音の出方や弾き方の共通点を確かめてみてください。
弾きづらさは弦やギターの状態でも変わる
アコギもエレキも、どのギターを選び、どんな弦を張るかで押さえやすさは変わります。
弦の太さだけでなく、弦とフレットの間の高さである「弦高」や、ネックの状態も関係します。弦高が高すぎるギターでは、弦を押し下げる負担が大きくなります。
なかなか音が出ないと、自分の指の力が足りないと思いがちですが、ギターの状態が原因のこともあります。
購入前なら、座ったときに無理なく抱えられるか、ネックを握ったときに手が苦しくないかも大事です。
「自分の体や手に合う一本を、ほかの価格帯も含めて探したい」という人は、弾きやすいギターの選び方と候補で、大きさや握りやすさも比べられます。

押さえやすさは、種類だけでは決まらないんです。アコギかエレキかを決めるときは、弾きたい曲と、普段どこで練習するかも考えてみましょう。
初心者がアコギとエレキを選ぶときの基準
弾きたい曲が決まっている人は、その曲のギターの音を手がかりにすると選びやすくなります。好きなアーティストと同じ高価な機種まで買う必要はありません。
アコギかエレキかを決めたら、その音を家で出せるかも考えておきましょう。気に入ったギターでも、練習したい時間に弾けないと、触る機会が少なくなってしまいます。
生音で歌の伴奏を楽しみたい人はアコギ
ギターを抱えて、そのまま歌の伴奏を始めたい。そんな楽しみ方にはアコギが合います。
アンプにつなぐ準備がいらないので、思い立ったときに弾き始められるのが魅力です。コードを鳴らしながら歌う、生音の響きを楽しむ、といった使い方をしたい人には選びやすいでしょう。
ただ、その手軽さと一緒に考えたいのが、生音を出せる場所と時間です。
ヘッドホンを使っても、一般的なアコギの生音は消せません。昼間に練習できる、家に楽器を弾ける場所があるなど、生活の中で無理なく音を出せるか確かめておきたいですね。
好きなバンドのギターを弾きたい人はエレキ
好きなバンドのギターソロや、歪んだ音で鳴らすフレーズを弾きたいなら、エレキから始めて構いません。
「最初はアコギで基礎を覚えてから」と考える必要はないんです。エレキでも、コード、リズム、チューニングなどの基礎を練習できます。
僕なら、押さえやすさや人気だけで、弾きたいほうを外すことはしません。弾きたい曲がはっきりしているなら、その音を目指せるギターから始めたいです。
もちろん、好きな曲を原曲どおりに弾くには時間がかかる場合もあります。まずは短いフレーズや、難しい部分を省いた伴奏から楽しんでいきましょう。
夜の自宅練習では音量を抑えやすいエレキ
学校や仕事が終わってから、家で練習したい人も多いと思います。
大きな音を出しにくい部屋では、エレキとヘッドホン対応の機器を組み合わせる方法が使えます。アンプで作った音をヘッドホンから聞けるので、スピーカーから大きな音を出さずに練習できます。
機器は、ヘッドホン用アンプや、ヘッドホン端子のある練習用アンプなどから選べます。
エレキも完全に無音にはなりません。弦を弾いたときの生音は残るため、壁が薄い部屋や、家族がすぐ近くで寝ている場所では配慮が必要です。
実際にどのくらい音が聞こえるか、練習する部屋で確かめておきましょう。
それでも、アンプの音を外へ出さずに練習できることは、エレキを選ぶ大きな理由になります。練習に使う機器まで決めておけば、本体と合わせていくら必要かも見えてきます。
アコギとエレキを始める費用の違い
同じくらいの価格のギター本体を選ぶなら、音を聞く機器を買い足さずに済むアコギのほうが、初期費用を抑えやすいです。
エレキはアンプなどの費用も必要ですが、最初から大きなアンプや、いくつものエフェクターをそろえる必要はありません。自宅で使うヘッドホン用アンプから始める方法もあります。
たとえば、ギター本体に3万〜4万円の予算を取る場合、家で練習できる状態までの費用を次のように見込めます。
| 予算に入れるもの | アコギ | エレキをヘッドホンで練習する場合 |
|---|---|---|
| ギター本体 | 3万〜4万円 | 3万〜4万円 |
| チューナー、ピックなど | 約2,000〜5,000円を見込む | 約2,000〜5,000円を見込む |
| 音を聞くための機器 | アンプは不要 | ヘッドホン用アンプなどに約6,000〜1万円 |
| 合計の予算例 | 約3万2,000〜4万5,000円 | 約3万8,000〜5万5,000円 |
この表は、手持ちの有線ヘッドホンやイヤホンを使う場合の予算例です。新しく購入するならその分を加え、ケースやスタンドなども必要に応じて予算に入れてください。
ヘッドホン用アンプには、数千円台から選べる製品もあります。スピーカーのあるアンプを最初に買わなくても、エレキの音で練習は始められます。
初心者セットを選ぶ場合は、付属品の数より、必要な物が入っているかを見てみましょう。
- 音を合わせるチューナーは付属するか
- エレキの場合、希望するヘッドホン練習に対応できるか
- 別途ヘッドホン、ケーブル、電池などが必要か
- ケースや保証の内容はどうなっているか
全部そろえた金額が分かれば、本体へいくら使えるかも決めやすくなります。その予算の中で、無理なく抱えられるアコギや、好きな曲の音を試せるエレキを探していきましょう。
最初の一本に検討したいアコギとエレキ
生音で弾き語りを楽しみたいなら、抱えやすい大きさのアコギ。好きなバンドの曲を弾きたいなら、曲に合わせて音を変えられるエレキが気になるところです。
ここでは、小ぶりなアコギのFS800と、音色を切り替えて使えるエレキのPACIFICA112Vを紹介します。ここまで考えた練習場所と予算も思い浮かべながら、どちらが合いそうか見てみてください。
小ぶりなアコギを選びたい人に|ヤマハFS800

ヤマハFS800は、生音で歌の伴奏を楽しみたい人が検討しやすい、小ぶりなボディのアコギです。
ヤマハの仕様表では、ボディの最大幅は380mm、厚さは90〜110mm。大型のFG800より幅と厚みが小さく、大きなアコギを抱えるのが心配な人が比べたいモデルです。
表板はスプルースの単板です。薄い板を貼り合わせた合板ではなく、無垢の木材を使っています。
サイズや材質はこうした仕様で比べられますが、抱えたときの楽さは体格によっても変わります。試せるお店では、右腕を自然に回せるか、ネックに手が届くかを見てみましょう。
小ぶりなアコギでも、生音は出ます。ヘッドホンだけで練習したい場合は、ここまで紹介したエレキのほうが使い方に合います。
また、本体代だけで予算を使い切ってしまうなら、より安いモデルや、必要な道具が付いたセットも比較して構いません。最初からFS800まで予算を上げなければいけない、ということではないです。
「生音で弾き語りを楽しみたいし、大きすぎないアコギがいい」と思えたら、FS800を見てみましょう。写真で見た目の好みを確かめつつ、ケースやチューナー込みでいくらになるかを見ると、買ったあとに用意する物まで分かります。
曲に合わせて音を変えたい人に|ヤマハPACIFICA112V

ヤマハPACIFICA112Vは、好きなバンドの曲やギターソロに取り組みながら、曲に合わせて音色も変えて使いたい人に向くエレキです。
弦の振動を拾う「ピックアップ」は、シングルコイル2基とハムバッカー1基の組み合わせ。スイッチで切り替えられるので、軽やかな伴奏から、厚みのある音で弾くフレーズまで試せます。
音の違いを出すためには、アンプなどの設定も関係しますが、最初からすべての機能を覚える必要はありません。気に入った音の設定で練習を始めて、曲が増えてきたら切り替えを試すくらいでも楽しめます。
このモデルには、音程を揺らすためのアームも付いています。
112Vを選ぶ理由になるのは、曲に合わせて音を切り替えられることです。好きな曲が増えてきたときに、同じ一本で違う音も試したいなら、気になるモデルでしょう。
あとは、好みの色と、本体を買ったあとに機器へ使える予算を確かめてみましょう。部屋に置いて「また弾きたい」と思える見た目も、最初の一本では大事にしていいところです。
「アームは使わないから、もっとシンプルな仕様がいい」「ほかのグレードだと何が変わる?」という人は、パシフィカのモデル別の選び方で、アームの有無や音を拾うパーツの違いから比べられます。
人気と難しさを踏まえた最初のギター選び
人気の比較や指への負担を知っておくと、買ってから驚くことを減らせます。そのうえで、最後に決める軸は、弾きたい曲と、普段の生活で練習できるかどうかです。
購入前には、次の点を確かめておきましょう。
- 弾きたい曲の音に、アコギとエレキのどちらが合うか
- 練習する場所と時間に、生音を出せるか
- 実際に抱えて、腕や手に無理がないか
- 本体と必要な道具を合わせて、予算に収まるか
弾き語りと小ぶりなサイズにひかれるならFS800、バンドの曲や音色の切り替えを楽しみたいならPACIFICA112Vが候補になります。気になる一本が見つかったら、販売ページの写真や付属品を見て、家で弾き始める準備まで考えてみてください。
「種類は決まったけれど、もう少し安いものや、違う大きさも見たい」という人は、予算と弾きやすさからギターの候補を比べるところから進めても大丈夫です。弾きたい音に近づけて、生活の中で手に取りやすい一本を選びたいですね。
