パシフィカを買おうと調べ始めると、112V、311H、611、612……と型番が次々に出てきます。数字が大きいモデルを選べばいいのか、迷いますよね。
最初に見るのは欲しいピックアップの組み合わせと、アームを使うかです。
幅広い曲に使えるHSSを手頃に選ぶなら112V。P-90タイプのフロントと固定ブリッジが欲しければ311Hが残ります。
では、611と612へ予算を足す理由は何でしょうか。上位パーツだけでなく、使いたいフロントの音とセンターのシングルコイルの有無も変わります。
さらにStandard PlusとProfessionalは、ネックを含めた設計まで違います。まずは型番の順位から離れて、使いたい音と構成から候補を減らしていきましょう。
パシフィカを買うなら、まず候補を絞ろう
この表はグレードの順ではなく、横に見てください。
「向いている人」に当てはまっても、「見送る条件」に欲しい機能があれば、その候補は外せます。
| 候補 | 向いている人 | 選ぶ決め手 | 見送る条件 |
|---|---|---|---|
| PACIFICA112V | HSSを手頃に選び、幅広い曲に使いたい | シングル2基+リアハム、トレモロ | アームを使わず、P-90タイプが欲しい |
| PACIFICA311H | P-90タイプと固定ブリッジが欲しい | フロントP-90タイプ+リアハム | シングル2基やアームを使いたい |
| PACIFICA611VFM・611HFM | P-90タイプと上位パーツを選びたい | VFMはアームあり、HFMは固定ブリッジ | センターのシングルコイルが欲しい |
| PACIFICA612VIIFM | シングル2基とリアハムを使い分けたい | 上位パーツを備えたHSS | P-90タイプが欲しい、または112Vで足りる |
| Pacifica Standard Plus | 新設計のHSSやネックに魅力を感じる | Reflectone、ステンレスフレット | 600シリーズで必要な音が足りる |
| Pacifica Professional | 日本製とネック仕様まで重視する | 日本製、コンパウンドラディアス指板 | 価格差を払う理由がまだない |
表だけで弾き心地までは決まりません。それでも、HSSかP-90タイプか、アームを使うかは先に決められます。
そこで候補が残ったら、今度は上位モデルへ予算を足す理由があるか。まず112Vと311Hの違いから見ていきます。
112Vと311Hは価格差より構成で選ぶ
311Hは112Vより数字も価格も上です。でも、112Vでできて311Hにはできないことがあります。
その違いは、ピックアップとブリッジを見ると分かります。
112V:弾きたい曲がまだ広い人の基準
PACIFICA112Vはフロントとセンターにシングルコイル、リアにハムバッカーを載せたHSS構成です。
5ポジションの切り替えとリアのコイルタップがあるので、クリーンのコードから歪ませた音まで、使う場所を探しやすい一本。アルダーボディとトレモロも備えています。
細かな仕様はヤマハのPAC100シリーズ製品情報で確認できます。
いろいろな曲を弾きながら音を切り替えたいなら、この幅広さが生きます。本体の予算を抑え、アンプや周辺機材へ回せるのも112Vの良さです。
ただ、アームを使わない人にもトレモロ機構は付いてきます。
そこが要らず、フロントにP-90タイプが欲しいなら、後で見る311Hの方が希望に近いはずです。HSSが欲しいなら112Vを残しましょう。
最後は、持ちたくなる色か、いくらで買えるか。イエローナチュラルの仕上がりと本体価格を見れば、ほかの候補へ予算を足すかも考えやすくなります。
311H:P-90タイプと固定ブリッジを選ぶ人へ
PACIFICA311HはフロントがP-90タイプ、リアがハムバッカーです。リアにはコイルタップがあり、ブリッジはアームを使わない固定式。
つまり、112Vの上位互換ではなく、音と構成が違う一本です。ヤマハのPAC300シリーズ製品情報でも、その組み合わせを確認できます。
112Vの説明を読んで「アームは使わない」と思ったなら、311Hの固定ブリッジは選ぶ理由になります。
さらにP-90タイプのフロントも欲しいなら、二つの条件がそろいます。反対に、フロントとセンターのシングルコイルを切り替えたり、アームを使ったりしたいなら112Vへ戻りましょう。
311Hが残った人は、ボディと指板の組み合わせも見てください。ブラックを何度も手に取りたくなるか。仕様が合った後なら、外観も選ぶ理由にしていいと思います。
安価な012が気になる場合は、ヤマハの生産完了品一覧でPACIFICA012が生産完了品とされている点も踏まえ、販売元と保証を112Vと比べてください。
ここまでで音とブリッジが決まっても、もう少し予算をかけてパーツを選びたい人はいるはずです。では、600シリーズでは何が変わるのでしょうか。
611と612は何が違う?
「611より612の方が上」と数字だけで考えたくなりますが、どちらもSeymour Duncan製ピックアップを採用しています。
「611はパッシブで、612だけが上位ピックアップ」という違いではありません。
ヤマハのPAC600シリーズ製品情報で見ると、分かれ目はフロントの種類とセンターの有無です。
611を選ぶ場合は、さらにアームを使うかで型番が分かれます。
611VFM・611HFM:P-90タイプを使いたい場合
PACIFICA611VFMはフロントにSP90-1、リアにCustom 5を載せた二つのピックアップ構成です。3ポジションの切り替えとリアのコイルタップを備えます。
Wilkinson製トレモロとGrover製ロッキングチューナーも付いています。P-90タイプのフロントが欲しくてアームも使うなら、611VFMがその二つを満たします。
音の構成は欲しいけれどアームは要らない。そんな場合は、固定ブリッジの611HFMを選べます。
どちらもセンターにシングルコイルはありません。その音をよく使うなら、次の612が候補になります。
使わないなら、数字だけを理由に612へ上げなくても大丈夫です。
611VFMが残ったら、トランスルーセントブラックの木目や色の見え方、現在の価格を写真で確かめてみてください。仕様だけでなく、手に取りたいと思える外観かどうかも最後の決め手になります。
『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中ギターに近い見た目を求めているなら、通常品を選ぶ前に後藤ひとりの使用ギターを整理した記事で特注仕様との違いを確認できます。
612VIIFM:シングル2基も使いたい場合
PACIFICA612VIIFMはフロントとセンターにシングルコイル、リアにCustom 5を載せたHSS構成です。
5ポジションの切り替え、リアのコイルタップ、Wilkinson製トレモロを備えます。フロントとセンターの組み合わせも使いたいなら612です。
611のP-90タイプとの違いはここで決まります。では、同じHSSの112Vでは足りないのでしょうか。
いろいろな音を切り替えて試すことが主な目的なら、112Vでも始められます。
612へ予算を足すのは、ピックアップだけでなく、ロッキングチューナーやナット、ブリッジを含む構成まで欲しいとき。その差に魅力を感じたら、インディゴブルーの外観と現在の価格を見て、112Vとの差額を考えてみてください。
ここまでのモデルで欲しい音と操作がそろうなら、さらに高いモデルを急ぐ必要はありません。ネックを含めた新しい設計に惹かれるなら、Standard PlusとProfessionalも見ていきましょう。
Standard Plus・Professionalは価格差を払う理由で選ぶ
この二つは600シリーズの数字をそのまま上げたモデルとして見るより、ピックアップやネックを含めた別の設計として比べる方が分かりやすいです。
その違いに自分の予算を払いたいかが、ここでの判断になります。
Standard Plus:600シリーズとは異なる設計が欲しい人へ
Pacifica Standard Plusの12はHSS構成で、Reflectoneピックアップとステンレスフレットを採用しています。パーツはGOTOH製です。
ヤマハの製品情報では、スリムCシェイプのネックと350mmRの指板も確認できます。
600シリーズと違うのはピックアップだけではありません。ネックを含めた弾き心地の設計も、選ぶ理由に入ってきます。
ただ、612VIIFMで使いたい音やアーム操作が足りるなら、上達への不安だけで価格差を払う必要はありません。
それでもReflectoneやネックが気になるなら、できれば同じアンプで弾き比べたいところです。違いを実際に確かめると、価格差への納得も変わります。
試奏が難しければ、アイスブルーの指板や外観、販売条件を見て、612とどちらを手に取りたいか考えてみてください。
Professional:日本製とネックの仕様まで重視する人へ
Pacifica Professionalは日本製で、Reflectoneピックアップとステンレスフレットを採用しています。
指板は低音側から高音側へ曲面が変わるコンパウンドラディアス。細かな仕様はヤマハの製品情報で確認できます。
Standard Plusとは指板形状も違います。ネックの感触に価格差を払うかは、スペック表だけでは決めきれません。
日本製の仕上げやネックに魅力を感じても、価格は大きく上がります。そこまで求めていないなら、112Vや612を選んで構いません。
試奏できるなら、ネックの感触を優先してください。
難しければ、販売ページでブラックメタリックの外観、付属品、購入条件を見ておきましょう。そのうえでこの仕様が欲しいか考える方が、価格だけで悩み続けずに済みます。
なお、シングルカッタウェイの形が欲しいならPacifica SCも別の候補です。
SC Standard Plusの公式仕様では、フロントハムとリアシングル、固定ブリッジという従来型とは違う構成が示されています。112Vや612のHSSとアームを探しているなら、同じ条件で比べなくて大丈夫です。
型番を絞れたら、残るのは買い方と実際の持ち心地です。
初心者セットと購入前に確かめること
初心者セットを選ぶなら、同じ「14点セット」でも中身を見てください。アンプ、ヘッドホン端子、チューナー、ケースは販売店によって違います。
点数より、実際に使うものが入っているか。本体だけの価格とセット総額を比べて、使わない付属品に予算を足していないか確かめましょう。
- 自宅で音を出せるか。ヘッドホン練習が必要ならアンプの端子と付属品
- アームを使うか。使わない場合は311H、611HFM、SCも候補
- 同じ型番でも指板、カラー、仕上げが好みに合うか
- 店頭で触れるならネックの握り、弦高、立ったときのバランス
- 中古ならネック、フレット、電装、改造歴と保証
中古を選ぶなら、リストの最後はとくに大切です。価格が魅力でも、状態を見極めるための確認が増えます。
判断が難しいなら、新品との価格差や保証まで含めて選びましょう。
型番だけで重量や弾きやすさを保証することもできません。
店頭で触れられるなら、表の仕様より自分の持ち心地を優先してください。そこで二本に迷うなら、ネックを握って比べる方が判断しやすいはずです。
仕様では候補を絞れても、「ダサい」「やめとけ」という評判が引っかかることはあります。その不安はパシフィカの評判と弱点を整理した記事で、見た目への評価と仕様上の弱点を分けて考えられます。
最後に、価格は買う時点の情報を見てください。ヤマハの価格改定案内では、2026年10月1日に112Vや311Hなど一部モデルの希望小売価格が変わる予定です。
商品ページの販売価格と在庫も、購入時に改めて確かめましょう。
まとめ:必要な音と構成から一本に絞る
幅広い曲を弾きながら音を探すなら112V。P-90タイプのフロントと固定ブリッジが欲しいなら311Hです。
600シリーズでは、P-90タイプのフロントを選ぶなら611、センターのシングルコイルも使いたいなら612。611はアームの要否でVFMとHFMに分かれます。
Standard PlusやProfessionalは、そのピックアップやネックの設計に価格差を払いたいときに候補へ入れましょう。
二本まで絞れたら、普段使うピックアップの音とネックの感触を比べてみてください。
違いがまだ分からない段階なら、上位モデルを急いで選ぶ必要はありません。
