Tokaiのレスポールタイプを調べると、「国産で作りがいい」「Gibsonに負けない」といった評判が見つかります。
ただし、評判だけを見ても、自分に合うモデルまでは選べません。現行のLove Rockには、ハムバッカーを搭載したLS-101・LS-201のほか、P90タイプや上位のLS-301もあります。
さらに中古市場では、現在と異なる型番や海外生産品も流通しています。Tokaiならすべて同じ品質・すべて日本製と考えるのは危険です。
この記事では、Tokaiレスポールの評判と弱点を整理し、現行グレードの違い、中古品で確認したいポイントまで解説します。
Tokaiレスポールの評判はどう?
Tokaiのレスポールタイプは「Love Rock」の名称でも知られています。まずは、評価されやすい理由と購入前の注意点を分けて見ていきましょう。
評価されやすい理由
東海楽器の沿革によると、LSシリーズの生産開始は1978年です。現在もアーチトップのLSシリーズが継続しています。
現行モデルでは、グレードによって木材構成や塗装、電装系は異なるものの、次のような基本仕様が共通しています。
- 625mmスケール
- 43mmのナット幅
- マホガニー1ピースネック
- ローズウッド指板
- 非対称Uシェイプのネック
- GOTOH製ペグ・ブリッジ類
レスポールタイプらしい構成を維持しながら、10万円台から上位モデルまで選択肢が用意されている点はTokaiの強みです。
販売店の実機レビューでは、ナットやバインディングの仕上げ、ネックの握りやすさを評価する声も見られます。ただし、これは確認された個体についての感想です。ブランド全体に個体差がないとまでは断定できません。
購入前に知っておきたい弱点
Tokaiの現行LSシリーズは、安価な入門用レスポールタイプではありません。LS-101でも比較的まとまった予算が必要です。
また、ボディサイズや構造は伝統的なレスポールタイプに近く、重量も個体によって差があります。通販で購入する場合は、型番とカラーだけでなく、販売個体の実測重量を確認したいところです。
ネックは現行6モデルとも、1フレットで22.8mm、12フレットで25mmの非対称Uシェイプ。極端に細いネックではないため、薄いネックを好む人は試奏したほうが安心です。
ほかにも、次の点は購入前に確認しておきましょう。
- ポリウレタン塗装とラッカー塗装のどちらを求めるか
- ハムバッカーとP90タイプのどちらが必要か
- 新品の現行品か、仕様の異なる中古品か
- ソフトケースとハードケースのどちらが付属するか
- 実物写真が掲載された個体か
評判がよいから型番を見ずに買うのではなく、グレードごとの仕様差から選ぶことが大切です。
Tokaiギターはダサいと言われる?
Tokaiを「ダサい」と感じる理由としては、Love Rockという名称、ヘッドロゴ、本家を意識したデザインなどが挙げられます。
一方で、Gibsonとは異なるロゴや名称を含めて、国産レスポールタイプらしい魅力と感じる人もいます。外観に関する評価は好みの影響が大きく、性能上の弱点とは別の話です。
ロゴが気になり続けるなら、購入後も満足しにくい可能性があります。反対に、見た目に抵抗がなければ、「ダサい」という検索上の評判だけで候補から外す必要はありません。
Love Rockの現行グレードを比較
東海楽器の現行LSシリーズには、LS-101系、LS-201系、LS-301の6モデルが掲載されています。
| モデル | ピックアップ | ボディ・塗装の主な違い | 選び方 |
|---|---|---|---|
| LS-101 | PAF-Vintage MK2 | メイプル2P+マホガニー2P、ポリウレタン | 標準的な現行Love Rock |
| LS-101F | PAF-Vintage MK2 | フィギュアドメイプルを使ったトップ、ポリウレタン | 杢目のある外観を重視 |
| LS-101S | LP-OLD MK2 | メイプル2P+マホガニー2P、ポリウレタン | P90タイプを手頃な側から選ぶ |
| LS-201 | PAF-Vintage MK2 | メイプル2P+マホガニー1P、ラッカー | 塗装・ボディ構成・電装系を上げる |
| LS-201S | LP-OLD MK1 | メイプル2P+マホガニー1P、ラッカー | P90タイプの上位仕様 |
| LS-301 | 301専用PAF-Vintage MK2 | フィギュアドメイプル、ホンジュラスマホガニー、ラッカー | 素材とパーツまでこだわる |
モデル名の数字が大きいほど単純に弾きやすくなるわけではありません。演奏感の基本となるスケール、ナット幅、ネック厚は現行モデルで共通しています。
大きく変わるのは、ボディ材の構成、塗装、ピックアップの種類、電装パーツです。
LS-101とLS-201の違い
ハムバッカー搭載モデルで迷いやすいのがLS-101とLS-201です。価格差だけでなく、どこへ費用が使われているのかを確認しましょう。
ボディ構成と塗装が違う
| 比較項目 | LS-101 | LS-201 |
|---|---|---|
| ボディトップ | メイプル2P | メイプル2P |
| ボディバック | マホガニー2P | マホガニー1P |
| 塗装 | ポリウレタン | グロス・ニトロセルロースラッカー |
| ネック | マホガニー1P | マホガニー1P |
| 指板 | ローズウッド | ローズウッド |
| スケール | 625mm | 625mm |
| ピックアップ | PAF-Vintage MK2 | PAF-Vintage MK2 |
LS-201では、マホガニーバックが1ピースになり、塗装もラッカーへ変わります。
ただし、ラッカー塗装だから必ず好みの音になるとは限りません。 傷や塗装変化を含めた風合いを楽しみたいか、取り扱いやすいポリウレタン塗装を選ぶかで判断できます。
電装系とハードウェアも変わる
LS-101は通常のボリューム・トーンポットとトグルスイッチを採用しています。
LS-201では、CTS製ポット、Switchcraft製トグルスイッチ、GOTOHの上位側ブリッジ・テールピースへ変更。コンデンサーはどちらもOrange Dropです。
ピックアップは両方ともPAF-Vintage MK2なので、LS-201は単純なピックアップ上位版ではありません。ボディ構成、塗装、電装系をまとめて上げたグレードと考えると分かりやすいでしょう。
どちらを選ぶべき?
LS-101が向いているのは、次のような人です。
- 現行の日本製Love Rockを価格を抑えて選びたい
- ポリウレタン塗装の扱いやすさを重視する
- 上位パーツより、基本的なレスポールタイプの構成を優先する
一方、LS-201が向いているのは次のような人です。
- ラッカー塗装を求めている
- マホガニー1ピースバックにこだわりたい
- CTSやSwitchcraftを含めた電装系まで重視する
- 購入後に上位パーツへ交換する手間を減らしたい
価格差に迷うなら、最初にLS-101を基準にしてください。
仕様表を見て「ラッカー塗装や1ピースバックが必要」と感じた場合に、LS-201へ上げる順番が選びやすいです。
LS-101SとLS-201SはP90タイプ
型番末尾に「S」が付くLS-101SとLS-201Sは、P90タイプのピックアップを搭載しています。通常のハムバッカーモデルとは音の方向性が異なります。
LS-101SとLS-201Sの違い
| 比較項目 | LS-101S | LS-201S |
|---|---|---|
| ピックアップ | LP-OLD MK2 | LP-OLD MK1 |
| ボディバック | マホガニー2P | マホガニー1P |
| 塗装 | ポリウレタン | ラッカー |
| ポット | 通常仕様 | CTS |
| トグルスイッチ | 通常仕様 | Switchcraft |
P90タイプはハムバッカーよりノイズが出やすい一方、ピッキングへの反応や輪郭の違いを好む人もいます。
太いハムバッカーサウンドを求めるならLS-101・LS-201、P90タイプのキャラクターを求めるならLS-101S・LS-201Sという分け方です。
「S」はレスポールスペシャルの意味ではない
LS-101SとLS-201Sは、アーチトップのLSシリーズへP90タイプを搭載したモデルです。平らなボディのレスポールスペシャルタイプではありません。
Tokaiでは、スペシャルタイプに「LSS」という別の型番が使われています。
また、販売ページで見かける「LS-101SOB」のSOBは、Sonic Blueを表すカラーコードです。こちらもLS-101Sとは別モデルなので、商品名を確認するときはハイフンの位置とピックアップ仕様を見てください。
LS-301は素材とパーツにこだわる上位モデル
LS-301では、3Aグレード表記のフィギュアドメイプル、ホンジュラスマホガニー、マダガスカルローズウッド指板が採用されています。
フレットはJESCAR、ピックアップはLS-301用のPAF-Vintage MK2。CTS製ポット、Switchcraft製スイッチ、Black Beautyコンデンサーなど、電装系も下位モデルと異なります。
一方で、LS-301は価格が大きく上がります。日本製Tokaiを買うだけなら、LS-101やLS-201でも目的は満たせます。
LS-301は、素材や細かなパーツまで指定して選びたい人向けです。販売店によっては受注生産や取り寄せになるため、注文前に納期を確認してください。
Tokai Love Rockは日本製?
現在の国内向けLSシリーズは、日本製モデルとして販売されています。ただし、Tokaiブランドのレスポールタイプがすべて日本製だったわけではありません。
現行LSシリーズは型番まで確認する
現行の公式ラインナップに掲載されているのは、次の6モデルです。
- LS-101
- LS-101F
- LS-101S
- LS-201
- LS-201S
- LS-301
新品を購入する場合でも、販売ページにある製造国、正規保証、正式な型番を確認しておきましょう。
特に「Love Rock」というヘッド表記だけでは、グレードや製造国まで判断できません。
中古品は日本製とは限らない
中古市場や海外流通品には、日本以外で生産されたTokaiのレスポールタイプも存在します。
見分け方として、シリアルの形式、トラスロッドカバーのネジ数、ブリッジ形状などが紹介されることがあります。ただし、パーツ交換や年代差があるため、一つの特徴だけで日本製と断定するのは避けたほうが安全です。
中古品では、次の情報を組み合わせて確認します。
- ヘッド表裏の写真
- シリアルナンバー
- 正式な型番
- Made in Japanなどの製造国表記
- 製造年当時のカタログ仕様
- ピックアップや電装系の交換歴
- 販売店による製造国の記載
製造国を確認できない個体を、日本製相場で購入しないことが重要です。
中古Tokaiレスポールのグレードと製造年の見分け方
Tokaiの中古品には、現行品と異なるモデル名が数多くあります。現在のLS-101やLS-201だけを基準にすると、古い型番の位置づけを誤る可能性があります。
型番の数字だけでグレードを決めない
TokaiのLS型番は、時期や価格改定に伴って変更されてきました。
そのため、LS-100、LS-101、LS-136など、数字が異なっていても近い仕様を持つ場合があります。反対に、似た数字でも製造時期によって仕様が異なることがあります。
現在の数字と中古品の数字を、そのまま上下関係として比較しないでください。
製造年を確認したうえで、その年代のカタログや信頼できる販売資料と照合する必要があります。
シリアルだけではグレードを断定できない
シリアルナンバーは製造時期を調べる手掛かりになりますが、シリアルだけで正確なグレードまで特定できるとは限りません。
中古店の説明に「おそらくLS-○○」と書かれている場合は、推定の根拠を確認しましょう。
- ボディトップとバックのピース数
- 塗装の種類
- ピックアップの型番
- ポットやスイッチのメーカー
- ネックジョイントや内部の表記
- 当時のカタログとの一致
高額なジャパンヴィンテージとして販売されている個体ほど、型番とオリジナル状態の確認が重要です。
中古購入前のチェック項目
| 確認箇所 | 見るポイント |
|---|---|
| ネック | 反り、ねじれ、トラスロッドの余裕 |
| フレット | 残量、偏った減り、打ち替え歴 |
| ヘッド・ネック接合部 | ひび、折れ、補修歴 |
| ナット | 交換歴、溝の深さ、開放弦のビビり |
| 電装系 | ピックアップ、ポット、配線の交換歴 |
| ボディ | 大きな割れ、再塗装、補修 |
| 重量 | 販売個体の実測値 |
| 付属品 | 純正ケース、保証書、認定資料 |
通常の擦り傷や塗装の剥がれだけで、音が悪いとは断定できません。演奏性と価格に影響しやすいのは、ネック、フレット、ナット、電装系、重大な補修歴です。
GibsonやFGNと迷った場合の選び分け
Tokai、Gibson、FGNは、同じようなシングルカット形状でも選ぶ理由が異なります。
| ブランド | 選ぶ理由 |
|---|---|
| Tokai | 現行の日本製LSシリーズから、塗装・木材構成・ピックアップを選びたい |
| Gibson | 「Les Paul」という本家のブランド、仕様、サウンドを重視したい |
| FGN | サークル・フレッティング・システムなど、独自仕様を含む国産モデルを比較したい |
FGNのNeo Classic NLSには、フレットを円弧状に配置するサークル・フレッティング・システムが採用されています。Tokaiの伝統的なLS仕様とは、購入時に見るべき部分が異なります。
どちらが上というより、TokaiはLove Rockの現行グレード、FGNは独自仕様、Gibsonは本家Les Paulという分け方です。
ほかの日本製ブランドまで比較したい場合は、国産レスポールタイプのおすすめモデルも参考にしてください。
Tokaiレスポールの評判と選び方まとめ
Tokaiの現行Love Rockは、評判だけで選ぶよりも、LS-101を基準に必要な仕様を足していくと選びやすくなります。
標準的なハムバッカーモデルならLS-101、杢目を重視するならLS-101F。ラッカー塗装やマホガニー1ピースバック、電装系まで求めるならLS-201が候補です。
P90タイプが必要ならLS-101S・LS-201S、素材やパーツまでこだわるならLS-301へ進みます。
中古品は、Love Rockの表記やシリアルだけで判断できません。正式な型番、製造国、当時の仕様、交換部品、補修歴を確認してから選びましょう。