- ギターは本当に9割が挫折するのか
- 辞めた扱いはどこからなのか
- 90日前後の壁をどう越えるのか
「9割が挫折」は、初心者の離脱を特定期間で見た言い回しで、全員の結末を示す数字ではありません。
出どころは公的統計よりも、購入者データや体感を元に語られたケースが多く、12か月や90日など区切り方で意味が変わります。さらに「辞める」と「挫折」は別で、忙しさの休止まで混ざりやすい点にも注意が必要です。
ギターの挫折が9割と言われる前提をほどき、つまずきやすい時期と、続けるための調整ポイントを整理します。
数字に振り回されず、今の状態に合う次の一手を選べます。
- ギター挫折9割の出どころを冷静に確認したい
- 休止と挫折の違いを切り分けて整えたい
- 1日目から90日前後までの壁を先に押さえたい
- 練習メニューを小さく固定して継続へ寄せたい
- 独学で迷った時の支えの作り方を知りたい
ギター挫折率「9割」の実態と読み解き方
「始めた人のほとんどが辞める」と聞くと、やる気が削がれますよね。でも、その「9割」という数字は、言い方しだいで意味が大きく変わるのも事実です。
大事なのは、数字を怖がることではなく、どの集団の、どの期間の、何を“辞めた”と見なすのかをほどいて理解すること。そこが整理できると、必要以上に不安にならずに済みます。
結局のところ、数字は「あなたの結果」ではなく「つまずきポイントの参考」くらいに扱うのがちょうどいいんです。
9割と言われる挫折率の根拠と出どころの確認
よく見かける「9割が辞める」は、公的統計というより、企業が把握した“初心者の離脱”を元に語られた数字として広まりました。たとえば、ある大手メーカーは「購入者のうち初心者が一定割合いて、その初心者の多くが最初の12か月(場合によっては90日)で離れる」という趣旨の発言を公開しています。
| よくある言い方 | 実際に含まれやすい条件 | 読み違えやすい点 |
|---|---|---|
| 「ギターは9割が挫折」 | 初心者の“継続率”の話 | 全プレイヤー全体に見えてしまう |
| 「1年以内に辞める」 | 一定期間弾かなくなる | 一時休止も“辞めた”扱いになりうる |
| 「90日で離脱」 | 初期の習慣化に失敗 | 短期で再開する人が見えにくい |
つまり、数字が間違いというより、前提が省略されて独り歩きしやすいんです。出どころを押さえるだけで、必要以上にビビらずに済みますよ。
辞める人の割合と挫折の定義がズレるポイント
「辞める」と「挫折」は似ているようで別物です。辞めるは“行動が止まること”、挫折は“進みたいのに進めない状態”のことが多いでしょう。
たとえば、忙しくて1か月触れなかった人は「辞めた」にカウントされやすい一方、本人は「落ち着いたら再開したい」と思っていることもあります。逆に毎日触っていても、同じコードで何週間も止まり続けているなら、それは挫折の手前かもしれません。
数字は“休止者”も混ざりやすいので、「自分はどっちの状態なのか」を分けて考えるとラクになります。休止なら環境調整、挫折なら練習設計の見直しが効くんです。
始めて何日でつまずきやすいかの傾向整理
つまずきは突然来るというより、“よくあるタイミング”で重なって起きやすいんです。最初に知っておくと、焦りが減ります。
- 1〜3日:指先が痛い、弦が押さえられない
- 1〜2週間:コードがビビる、音が途切れる
- 3〜4週間:コードチェンジが間に合わない
- 2〜3か月:リズムが単調、成長が見えにくい
- 90日前後:習慣が崩れ、間が空きやすい
ここで重要なのは、「痛い=向いてない」ではないということ。痛みはフォームと慣れの問題で、対策もあります。
もう一つは、“弾けない原因”が日数で変わる点です。序盤は身体、次は指の切り替え、さらに先はリズムと曲の完成度。課題が移動するだけなんですね。
数字を判断材料にするときの優先順位を決める
結論から言うと、数字は「危ないポイントを先読みする材料」として使うのが安全です。勝ち負けの判定にすると、気持ちが削れます。
優先するのは「目的の具体さ」
「いつか弾けたら」より、「3か月後に1曲を通す」のほうが続きやすいです。目的が具体だと、必要な練習が絞れるからですね。
目的は大きくなくてOK。弾き語りでサビだけ、でも十分に意味があります。
次は「環境の摩擦の少なさ」
ケースに入れっぱなし、スタンドがない、毎回チューニングが面倒。こういう摩擦があると、触る回数が減ります。
弾く前の手間を減らすほど継続率は上がるので、置き場所・チューナー・ピックの定位置は先に決めてください。
最後に「支えの選び方」
独学でも伸びますが、止まりやすい人は止まります。迷ったときに確認できる相手や場があるかで差が出やすいんです。
数字を見て不安が増えるなら、「支え」を厚くする方向で調整すると現実的になります。
ギター挫折が多すぎると言われる主因
挫折の原因は「根性」ではなく、たいてい最初の設計ミスです。コード、リズム、曲の選び方、練習の置き方。この4つが噛み合わないと、上達の手応えが消えやすくなります。
そして厄介なのが、「何が悪いのか自分で特定しにくい」こと。だからこそ、よく起きる原因を先に知っておくほうが早いです。
つまずきはパターン化できるので、あとは自分の状況に当てはめて直していけば大丈夫ですよ。
最初の壁になりやすいコードとリズムの詰まり方
最初の壁は、だいたい「コードが鳴らない」と「リズムが崩れる」のセットです。コードを押さえるのに集中すると右手が止まり、右手を優先すると左手が間に合わない。これ、普通に起きます。
さらに、C・G・D・Em・Amあたりは形が覚えやすいのに、Fのようなセーハ(人差し指でまとめて押さえる形)が出てくると難度が跳ねます。そこで「自分には才能がない」と誤解しやすいんです。
対策はシンプルで、右手だけ・左手だけに分けて練習すること。片方ずつ整えてから合体させると、詰まりがほどけます。
好きな曲が難しすぎるときの難易度分解のやり方
好きな曲に挑戦するのは正解です。ただ、いきなり原曲どおりにやると、難しさが重なってどこで詰まっているのか分からなくなることがあります。
| 分解する要素 | 初心者が詰まりやすい例 | 簡単にする方法 |
|---|---|---|
| コード | セーハ、テンションコード | 簡単なコードに置き換える |
| リズム | 16ビート、シャッフル | 8ビートに単純化する |
| テンポ | 速くて手が追いつかない | メトロノームで60〜80から開始 |
| 奏法 | アルペジオ、カッティング | まずストロークだけで通す |
難易度は「下げても曲は曲」です。最初は“雰囲気が出ればOK”くらいで形にして、あとから原曲寄せをすると続きやすいですよ。
逆に、最初から完コピを目標にすると、達成までが遠すぎて気持ちが折れやすくなります。
練習が続かない原因が時間不足ではないケース
「時間がないから続かない」と思いがちですが、実は時間以外の理由で止まっていることが多いです。とくに最初の1〜2か月は、練習内容の迷子が起きやすいんですね。
- 何をやればいいか毎回変わる
- できた・できないの判定が曖昧
- 音が汚くて気持ちが下がる
- 目標が遠くて達成感がない
対策は、「やることを固定して小さく終える」です。たとえば「コード2つ→チェンジ20回→1分だけ曲」みたいに、短くても完了が分かる形にします。
“やり切った感”が毎回残ると、時間の問題があっても戻ってきやすくなりますよ。
独学で止まりやすい場面と回避策の作り方
独学が止まりやすいのは、努力不足ではなくチェック機能が弱いからです。「何が違うのか」「どこを直すのか」が曖昧なまま進むと、同じミスを繰り返します。
フォームが自己流になっている
左手の親指の位置、指先の角度、ピックの持ち方。ここがズレると、音がビビったり疲れやすくなります。
スマホで手元を撮って見返すだけでも、直すポイントが見えやすくなります。
テンポが上がると崩れる
ゆっくりだとできるのに、速くするとぐちゃぐちゃ。これは普通の段階です。
メトロノームで「崩れない速さ」を基準にして、5ずつ上げると迷いが減ります。
評価がないので停滞が分からない
独学は「できてるつもり」が起きやすい反面、悪い音にも慣れてしまいます。
時々でも、詳しい人に見てもらう、短いレッスンを挟むなど、外からの目を入れると停滞がほどけやすいです。
挫折しないための練習設計と習慣化
続けるコツは気合ではなく、練習の設計です。やることが小さくて、判断が迷わず、触る回数が増える。これが揃うと、いつの間にか手が動くようになります。
「今日は何をしよう」で毎回悩むと、そこでエネルギーが切れます。だから最初に決めておくと強いんです。
上達の正体は、才能より“回数”。回数が増える仕組みを作りましょう。
練習量より頻度を優先して触る回数を確保する
挫折しにくい人は、長時間より「短くても毎日触る」を選びがちです。理由は単純で、手が忘れる前に次の入力が来るから。筋トレと同じで、間が空くと戻すのに力が要ります。
目安は、1回5〜10分でもOK。ケースから出してチューニングして、コードを2つ押さえて終わりでも“回数”は稼げます。
週末に2時間まとめるより、平日に7分×5回のほうが、指の感覚が残りやすいんです。まずは「触らない日を減らす」に寄せてください。
伸びを実感しやすい課題の切り方と進める順番
伸びを実感するには、課題を大きくしないことです。1曲まるごとだと遠いので、「できる単位」に切るほうが続きます。
| 順番 | 課題の例 | 合格ライン |
|---|---|---|
| ① 音をきれいに出す | 2コードを鳴らす | ビビりが減る |
| ② 右手を止めない | 8ビートを一定に | 1分間キープ |
| ③ 切り替えを安定させる | 2コード往復 | 20回でミス3以下 |
| ④ 曲に当てはめる | サビだけ通す | 止まらず最後まで |
合格ラインがあると成長が見えるので、気持ちが折れにくくなります。数字は敵じゃなく、味方に回すと強いですよ。
停滞期にやることを固定して迷いを減らす
伸びが止まったように感じる時期は、誰にでも来ます。ここで迷うと手が止まりやすいので、停滞期用の“固定メニュー”を持っておくと安定します。
- 音を録音して1つだけ直す
- メトロノームでゆっくりに戻す
- コードを減らして曲を通す
- 右手だけでリズム練習する
停滞期は、やる気の問題に見えて、実は練習の粒度が合っていないことが多いです。戻す・削る・整えるをルーティン化すると迷いが減ります。
「今日はこれだけやればOK」を作っておくと、再始動が早くなりますね。
挫折しなかった人に多い行動と支えの選び方
続けられる人は、特別に強い意志があるというより、詰まったときの動きが早いんです。止まる前に手を打つ、または止まっても戻ってくる仕組みを持っています。
その仕組みは、大きく言うと「学び方を切り替える」「人とつながる」「次の行動を決めておく」の3つ。
続いた人の行動は、真似できる型なので、使えるところだけ取り入れてください。
独学とギター教室を切り替える判断基準
独学が向く人も多いですが、止まりやすい人は「切り替えの基準」を先に決めておくと安心です。続いた人ほど、手段にこだわらず最短を選びます。
| 状態 | 独学で粘る目安 | 外のサポートが効きやすい |
|---|---|---|
| 音が汚い原因が不明 | 動画でフォーム確認 | 手の形をその場で修正 |
| コードチェンジが遅い | 2コード反復を2週間 | 無駄な力みを指摘 |
| 練習内容が迷子 | 固定メニューを作る | 課題を順番に並べる |
向く人
独学が向くのは、録音やメトロノームで自分を客観視できて、調べて直すのが苦にならない人です。小さな達成を積み上げられるなら、強いですね。
「何が悪いか」を自分で特定できると、独学は加速します。
注意点(合わない人)
一方で、「違いは分かるけど直し方が分からない」が続くと、気持ちが削れます。ここは根性で踏ん張るより、短い期間だけでも見てもらったほうが早い場合があります。
迷いが2〜3週間続いたら切り替え候補。こう決めておくと、停滞が長引きにくいです。

仲間や発表の場で継続の強制力を作る選択肢
続いた人に多いのは、ひとりで抱え込まないことです。上達は孤独でもできますが、継続は孤独だと難しくなりがち。だから「見られる予定」を作るのが効きます。
身近な人に“1曲だけ”宣言する
大きな約束はいりません。「サビだけ弾けたら聴いて」くらいで十分です。
誰かに聴かせる前提があると、練習が具体化します。
小さな発表の場に混ざる
オープンマイク、学校や職場の軽い演奏、SNSの短い投稿など、形は何でもOK。
評価よりも、締め切りができることが価値なんです。
同じレベルの仲間を作る
上手い人より、同じくらいの人がいると続きます。悩みが同じで、進み方も近いからですね。
「自分だけじゃない」が分かると折れにくいです。
次にやることを順番で決めて継続に移す
続く人は、気分で練習メニューを決めません。次の一手が決まっているから、迷う時間が減るんです。
おすすめは、順番を3段に固定すること。①ウォームアップ(コード2つ)→②今日の課題(チェンジorリズム)→③曲(サビだけ)。これだけで「何しよう」が消えます。
そして、できたら少しだけ更新します。テンポを5上げる、コードを1つ足す、サビを2回にする。小さな更新を続けると、いつの間にか“続いている側”になりますよ。
ギターの挫折が9割と言われる話のまとめ
「ギターは9割が挫折」は、初心者の離脱を一定期間で見た表現が広まりやすい形で残ったものです。出どころ、期間、辞めた扱いの定義を分けて読むと、不安は必要以上に膨らみません。
数字は勝ち負けの判定ではなく、つまずきポイントの先読みとして使うのが安全です。目的を具体化し、触るまでの手間を減らし、迷った時の支えを用意すると戻りやすくなります。
【要点まとめ】
- 9割は初心者の離脱を一定期間で見た数字である
- 出どころは公的統計ではなく企業発信や体感が混ざりやすい
- 辞めると挫折は別で休止者も含まれやすい
- つまずきは1〜3日、1〜2週、3〜4週、2〜3か月で形が変わる
- 目的の具体さが練習の迷子を減らす
- 置き場所や道具の定位置で触る回数が増える
- 独学は撮影やメトロノームでチェック機能を補う
- 迷いが2〜3週間続くなら外のサポートも選択肢である
次にやることは、まず「1回5〜10分で終わる固定メニュー」を作ることです。コード2つ、チェンジ反復、サビだけでOK。小さく終えて回数を稼ぐほど、挫折の手前で立て直しやすくなります。
もし止まりそうなら、練習時間を増やすより摩擦を減らし、確認できる場を足すほうが効きます。続く側の仕組みへ、今日から寄せていきましょう。