サイレントギターが気になっていても、「アパートで弾いたら苦情が来ないかな」「思ったよりうるさくて後悔しないかな」と不安になりますよね。
結論からいうと、サイレントギターは普通のアコースティックギターよりかなり静かです。
ただし、名前の印象とは違ってまったく音が出ないギターではありません。
とくに賃貸では、生音の小ささだけでなく、弾く時間や部屋の位置、契約内容まで確認しておきたいところです。
ここでは、サイレントギターから実際に出る音、苦情を避ける使い方、買ってから気づきやすい弱点をやさしく説明します。ヤマハの3モデルも比べるので、自分に合う1本まで絞れます。
サイレントギターはうるさい?先に結論
サイレントギターは、アコギの音を小さくして練習したい人にはかなり便利です。ヘッドホンをつなげば、弾いている本人はアコギらしい音で楽しめます。
一方で、周りには弦をはじく音やピックが触れる音が聞こえます。
そのため、アパートで深夜に強くストロークしても絶対に大丈夫、とはいえません。
サイレントギターは「音が出ないギター」ではなく、「アコギの生音をかなり小さくしたギター」です。
昼間や早めの時間に、窓を閉めて軽めに弾くなら使いやすいでしょう。夜間の練習が中心なら、隣室との位置や契約のルールも見てから選ぶと安心です。
サイレントギターの生音はどれくらい?
「ヘッドホンから聞こえる音」と「部屋の中へ出る音」は分けて考えるとわかりやすくなります。
自分にはしっかりギターの音が聞こえていても、周りに聞こえるのは主に弦の生音です。
ヤマハはアコギの10〜20%と案内している
ヤマハは、サイレントギターの周囲に聞こえる音量を一般的なアコースティックギターの10〜20%と案内しています。
SLG200シリーズの仕様では、スチール弦のSLG200Sが一般的なアコギの約18%、ナイロン弦のSLG200Nが一般的なクラシックギターの約10%とされています。
かなり小さくなるのは確かですが、この割合を「隣の部屋には聞こえない」という意味では受け取らないほうがいいでしょう。
壁の薄さや窓の位置、弾く強さによって、音の伝わり方は変わります。
ヘッドホンを使っても弦の生音は消えない
ヘッドホンをつなぐと、ピックアップで拾った音は自分だけに聞こえます。リバーブを加えた広がりのある音も楽しめるため、練習中の物足りなさは少なめです。
ただし、ヘッドホンはギター本体から出る弦の音を消すものではありません。
周囲には、弦をはじく音、ピックが弦に当たる音、左手で弦を押さえたり離したりする音が残ります。
さらに、足でリズムを取る音や椅子を動かす音は、ギターの生音より床へ伝わりやすいことがあります。
静かに練習したい日は、演奏以外の音にも少し気を配ってみてください。
エレキギターとどっちを選ぶべき?
静かさだけで比べると、ソリッドボディのエレキギターも有力です。ただ、弦の種類やピックの厚さ、弾き方が違えば、生音の感じ方も変わります。
どちらが必ず静かとは決めつけず、何の練習をしたいかで選ぶのが素直です。
- アコギのコードやストロークを練習したい:SLG200S
- ナイロン弦のやわらかい音で弾きたい:SLG200N・SLG200NW
- エレキの音作りやチョーキングを練習したい:エレキギター
エレキも候補に入っているなら、アンプなしで弾くエレキギターの音量と練習方法も先に読んでおくと、選び間違いを減らせます。
アパートで苦情を避けるための注意点
アパートで使う場合は、「どれだけ静かな楽器か」だけを見ても判断しきれません。
契約上のルールと、実際に音が伝わりやすい環境の両方を確かめておきましょう。
楽器不可なら音量より契約と管理規約の確認が先
物件に「楽器不可」「楽器演奏不可」と書かれている場合、サイレントギターなら自動的に許されるわけではありません。
国土交通省のマンション標準管理規約でも、賃借人は管理規約や使用細則に定められた内容を守る考え方が示されています。実際の物件では、賃貸借契約書、管理規約、使用細則を順に確認してください。
判断できない書き方なら、購入前に管理会社や大家さんへ聞くのが確実です。国土交通省「マンション標準管理規約」も、基本的な考え方を知る参考になります。
音が小さいことと、楽器の演奏が認められていることは別です。
「ヘッドホンを使うので大丈夫です」と自分だけで判断せず、禁止の範囲がわからないときは管理側へ確認しましょう。
夜間・壁際・強いピッキングは避ける
生音が小さくても、周囲が静かな夜は音が目立ちます。昼には気にならなかった高い弦の音が、深夜には隣室で聞こえることも考えられます。
共有する壁のすぐ近くや窓際も避けたい場所です。
部屋の中央寄りへ移動し、窓とドアを閉めるだけでも音漏れを抑えやすくなります。ストローク練習では、最初から強く弾かず、軽いピッキングから試してみてください。
また、低い椅子で床を踏み鳴らしたり、足で大きくリズムを取ったりすると振動が伝わります。
防音グッズを買う前にできる4つの対策
防音材を壁へ貼る前に、費用をかけずに変えられるところがあります。
まずは自分の部屋で、どの音がどこへ伝わっているかを確かめてみましょう。
- 窓とドアを閉め、共有壁から離れて弾く
- 強いストロークを避け、指弾きや軽いピッキングに変える
- 椅子や足元に厚めのマットを敷き、床へ伝わる音を減らす
- 家族に隣室で聞いてもらうか、スマートフォンで離れた位置から録音する
スマートフォンの録音は正確な騒音測定ではありません。
それでも、弦の音より足音や椅子の音が目立っていないかを知る手がかりにはなります。
サイレントギターで後悔しやすい4つの理由
サイレントギターは便利ですが、普通のアコギをそのまま小さくした楽器ではありません。
静かさだけで決めると、音や構え方の違いが気になってしまうことがあります。
生音だけではアコギらしい胴鳴りを楽しめない
サイレントギターには、一般的なアコギのような大きな共鳴胴がありません。そのため、何もつながずに弾いたときは弦の乾いた音が中心です。
ヘッドホンやアンプを通すと、SRTパワードシステムによるアコギらしい音を楽しめます。
反対に、電源を使わず、生音だけで気持ちよく弾きたい人には物足りないでしょう。静かな練習用と割り切れるかが、後悔を分けるポイントです。
フレームの構え心地が普通のギターと違う
外側のフレームにはアコギに近い輪郭がありますが、体に触れる感覚は薄いボディならではです。
右腕の置き場所や、座ったときに脚へ乗る感覚がしっくりくるかは人によって変わります。普段から厚みのあるアコギを弾いている人ほど、最初は違和感が出やすいかもしれません。
構え心地が不安なら、店頭で座奏と立奏を両方試すのがおすすめです。
ヘッドホンや電池の準備が必要になる
サイレントギターの良さを楽しむには、ヘッドホンをつないで使うのが基本です。電源は単3電池2本、または別売の電源アダプターを使います。
本体だけで大きな音が鳴るスピーカーは付いていません。
電池が切れればヘッドホンの音や内蔵エフェクトは使えないため、予備の電池があると安心です。長時間の練習が多いなら、対応する電源アダプターも用意すると手間が減ります。
安さだけで選ぶと弦やネック幅が合わない
サイレントギターには、スチール弦とナイロン弦があります。見た目が似ていても、弦の感触やネックの太さはかなり違います。
とくにヤマハの現行モデルは、上駒部分の指板幅が43mm・50mm・52mmに分かれます。
手が小さいから細いモデルが正解、とは限りません。弾きたい曲に合う弦を先に決め、その中で握りやすさを確かめましょう。
ネックの太さが心配な人は、手が小さい人向けのギター選びも参考になります。
ヤマハSLG200S・N・NWの違いと選び方
ヤマハの現行サイレントギターは、SLG200S・SLG200N・SLG200NWの3種類です。
大きな違いは、弦の種類とネック幅。初心者向けか上級者向けかで分けるより、これから弾きたい音楽に合わせるほうが失敗しにくくなります。
| モデル | 弦 | 上駒部分の指板幅 | 弦長 | 向いている弾き方 |
|---|---|---|---|---|
| SLG200S | スチール弦 | 43mm | 634mm | アコギのコード弾き、ストローク、弾き語り |
| SLG200N | ナイロン弦 | 50mm | 650mm | 指弾き、やわらかい音、細めのナイロン弦ネックを求める人 |
| SLG200NW | ナイロン弦 | 52mm | 650mm | クラシックギターに近い運指やフォーム |
3モデルとも、ヘッドホン出力、チューナー、リバーブやコーラス、AUX IN、LINE OUTを備えています。重量は2.1kgで、低音弦側のフレームを外して専用ケースへ収納できます。
SLG200S|スチール弦でアコギの練習に向く
SLG200Sは、一般的なアコギに近いスチール弦を張ったモデルです。弾き語り、コード練習、ストロークをしたい人に合います。
弦長は634mm、上駒部分の指板幅は43mm。ナイロン弦モデルよりネックが細く、エレキギターから持ち替える人にもなじみやすい寸法です。
ただし、スチール弦の張りや硬さは残るため注意が必要です。
SLG200N|ネックが少し細いナイロン弦モデル
SLG200Nは、やわらかな音を楽しめるナイロン弦モデルです。
指弾きの曲やボサノバ、落ち着いた伴奏を練習したい人に向いています。
上駒部分の指板幅は50mmで、SLG200NWより2mm細めです。
ナイロン弦らしい余裕は残しながら、一般的なクラシックギターの52mmネックが広く感じる人にも選びやすいでしょう。
スチール弦のアコギを弾きたい人には、音も弾き心地も別物なので注意してください。
SLG200NW|クラシックギターに近い52mmネック
SLG200NWは、一般的なクラシックギターに近い52mm幅のネックを採用しています。指板にはエボニーを使い、クラシックギターのフォームで練習しやすいモデルです。
SLG200Nよりネックが広いため、初めてギターを持つ人には大きく感じることがあります。
一方で、クラシック曲をきちんと練習したい人には、この広さが弦を押さえ分けやすい余裕になります。
手の大きさより、クラシックギターに近い弾き心地が必要かで選んでください。
安いサイレントギターや中古を選ぶ前の注意点
予算を抑えたいときは、ヤマハ以外の低価格モデルや中古も候補になります。
ただ、価格差だけで決めると、必要な機能が足りなかったり、電装部分の修理でかえって高くついたりすることがあります。
安いモデルはヘッドホン出力と付属品を確認する
「サイレントギター」という名前で売られていても、ヤマハと同じ機能が付いているとは限りません。
小さなトラベルギターやボディの薄いエレアコが一緒に表示されることもあります。
購入前には、少なくとも次の項目を商品ページで確かめましょう。
- ヘッドホンを本体へ直接つなげるか
- 電池や電源アダプターは何を使うか
- チューナーやエフェクトが内蔵されているか
- 専用ケースやヘッドホンが付属するか
- スチール弦かナイロン弦か
外部機器が別に必要なら、本体価格が安くても最終的な出費は増えます。
中古は電装・フレーム・ケース・電池室を確認する
中古のサイレントギターは、木部の傷だけで状態を決められません。ヘッドホン出力やコントロール部分の動作まで確認する必要があります。
取り外し式フレームの接合部や、専用ケースの有無も忘れずに見ておきたいところです。
- ヘッドホンの左右から正常に音が出るか
- ボリュームやエフェクトを動かしたときに雑音が出ないか
- 電池室に液漏れや強いさびがないか
- 取り外し式フレームに割れや大きなゆるみがないか
- 専用ケースや必要な付属品がそろっているか
試奏できない通販では、電装の動作確認について販売店へ質問しておくと安心です。新品との差額が小さいなら、保証を含めて新品のほうが気楽に使える場合もあります。
中古ギター全体の見分け方は、中古ギターはやめとけといわれる理由でも詳しく説明しています。
サイレントギターがうるさいと感じないためのまとめ
サイレントギターは、アコギらしい練習を小さな生音で続けたい人に合う楽器です。
それでも弦の音は残るため、アパートでは時間帯と部屋の位置を選ぶ必要があります。楽器不可の物件なら、静かさとは分けて契約内容を確かめましょう。
最後は「どれが一番人気か」より、弾きたい弦とネック幅で決めれば大きく外しません。
- サイレントギターの生音は小さいが、無音にはならない
- ヘッドホンを使っても、弦やピックの音は周囲に残る
- 楽器不可の物件では、契約書・管理規約・使用細則を先に確認する
- アコギの練習ならSLG200S、ナイロン弦ならSLG200N・SLG200NWが候補
- 中古は木部だけでなく、ヘッドホン出力や電池室まで確認する
無理に深夜まで弾ける環境を作るより、周りへ伝わる音を一度確かめて、安心して続けられる時間を決めるほうが長く楽しめます。