- ギターを買ったばかりなのに変な音がして不安
- 上手い人の演奏ではビビリ音はしないの
- 修理に出すべきかそのまま弾いていいか知りたい
新品のギターを手にして練習を始めたものの、弦を弾くたびに「ジジジ」という雑音が混じり、気になって仕方がないという経験は誰にでもあるものです。
結論から言うと、ギターのビビリは構造上どうしても発生するものであり、アンプからの出音に問題がなければ気にする必要はありません。
実は、プロのミュージシャンであっても、演奏スタイルによっては意図的にビビリが発生するセッティングを好むケースが多くあります。大切なのは、許容できる「良いビビリ」と、修理が必要な「悪いビビリ」を正しく見極めることです。
本記事では、島村楽器のリペア案内などの信頼できる情報に基づき、ビビリの判断基準や自分でできる対処法を具体的に解説します。正しい知識を身につけて、不安なく演奏を楽しみましょう。
【この記事のポイント】
- ギターの構造上金属音が鳴るのは異常ではない
- アンプからノイズが出なければ許容範囲内
- 音の伸びが途切れる場合は調整が必要
- 自分でできる簡単な調整方法と注意点
- プロに依頼する場合の具体的な費用相場
ギターのビビリを気にしないのが正解である3つの理由

「ビビリ音=故障」と思い込んでいる初心者の方は多いですが、実際には楽器のコンディションとして正常な範囲内であることがほとんどです。神経質になりすぎて練習の手が止まってしまうよりも、まずは楽器の特性を正しく理解することが上達への近道となります。
ここでは、なぜ多少のビビリは気にしなくて良いのか、その根拠を構造的な視点やプロの現場の常識を交えて解説します。
構造的に弦とフレットが接触して音が鳴る仕組み
ギターという楽器は、金属の弦を指で押さえ、金属のフレットに押し付けることで音程を変える仕組みを持っています。弦を弾くと楕円状に振動するため、振幅が大きくなれば物理的にフレットと接触し、「ジジジ」や「ビビビ」といった金属音が発生するのは避けられません。
特にアコースティックギターよりも弦のテンション(張り)が弱いエレキギターでは、この現象が顕著に現れます。生音で完全にビビリを消そうとすると、弦高(弦とフレットの隙間)を極端に高く設定しなければならず、これでは弦を押さえるのが困難になり演奏性が著しく低下してしまいます。
弾きやすさと音質のバランスを取る過程で、ある程度の接触音は「楽器の仕様」として割り切る必要があるのです。少し意外かもしれませんが、完全にノイズのないギターはこの世に存在しないと言っても過言ではありません。
アンプを通した音にノイズがなければ問題ない
エレキギターにおける最も重要な判断基準は、生音ではなく「アンプを通した出音」です。エレキギターの構造上、ピックアップ(マイク)は弦の磁気振動を拾って電気信号に変えますが、フレットに触れる微細な高周波ノイズまでは拾わないように設計されています。
そのため、部屋で弾いている生音ではいわゆる「フレットバズ(ビビリ音)」が大きく聞こえていても、アンプやヘッドホンを通した音には全く影響がないケースが大半です。実際にスタジオやライブハウスで演奏する際は大音量の中に音が混ざるため、微細な雑音はさらに気にならなくなります。
以下の表は、気にするべき音とそうでない音の違いをまとめたものです。
| 状況 | 生音の状態 | アンプ出音の状態 | 判断 |
|---|---|---|---|
| 正常 | ジジジと鳴る | クリアに聞こえる | 気にしない |
| 要注意 | 激しく鳴る | 少し歪んで聞こえる | 調整を検討 |
| 要修理 | 音が詰まる | 音が途切れる | すぐに修理 |
まずはアンプに繋ぎ、クリーントーンでコードを弾いてみてください。スピーカーから聞こえる音に違和感がなければ、そのギターは健康な状態と言えます。
プロがあえて弦高を低くしてバズ音を出す理由
プロのギタリストの中には、意図的に弦高を限界まで下げ、ビビリ音を積極的にサウンドに取り入れている人がいます。特にロックやブルース、ファンクなどのジャンルでは、クリアすぎる優等生的なトーンよりも、少し荒々しさのあるサウンドが好まれる傾向にあります。
アタック感を強調したパーカッシブな音
弦がフレットに当たる「バチッ」というアタック音は、リズムを際立たせる効果があります。カッティング奏法などでこの金属的な響きが加わることで、ドラムやベースに埋もれない、抜けの良いパーカッシブなサウンドを作ることができます。
低い弦高による圧倒的な弾きやすさ
テクニカルなプレイをするギタリストにとって、弦高の低さは速弾きやタッピングをスムーズに行うための生命線です。多少のビビリを犠牲にしてでも、フィンガリングのしやすさを最優先するセッティングは、プロの現場ではごく一般的な選択肢の一つです。
歪みエフェクターとの相性
ディストーションやオーバードライブで音を激しく歪ませる場合、元々の信号に含まれるビビリ音は歪み成分と馴染んで目立たなくなります。むしろ、その雑味が倍音(ハーモニクス)を豊かにし、迫力のあるロックサウンドを生み出す隠し味となっているのです。
ギターのビビリを気にしないための許容範囲チェックポイント

「気にしなくていい」と言われても、やはり自分のギターが正常かどうかを確認したいと思うのは当然です。ここでは、感覚に頼らず客観的に判断するための具体的なチェックポイントを紹介します。
以下の3つの項目を確認し、これらに当てはまらなければ、そのビビリは「許容範囲内」と判断して練習に戻りましょう。
押弦した状態で音が詰まりサステインが消えないか確認
最も明確なNGラインは、音が「詰まる」ことです。弦を弾いた直後に「プツッ」と音が途切れてしまったり、極端に音が伸びなかったりする場合は、弦がフレットに強く当たりすぎて振動が阻害されています。
正常な状態であれば、多少「ジジジ」と鳴っていても、音自体は数秒間伸び続けます(サステインがある状態)。もし音が1秒未満で消えてしまうなら、それはビビリではなく「音詰まり」という不具合であり、調整が必要です。
特にハイポジション(12フレット以降)でチョーキングをした際に、音が途中で消えてしまう現象には注意が必要です。これはフレットの高さが不揃いであるときによく起こる症状で、演奏に支障をきたすため修理の対象となります。
生音だけでなくアンプからの出音で雑音を確認する
前述の通り、判断の最終決定はアンプからの音で行います。ヘッドホンや家庭用アンプを使い、以下の手順でチェックを行ってください。
- アンプのセッティングをクリーントーンにする
- 全ての弦を開放弦で強めに弾いてみる
- ローコード(CやGなど)をジャラーンと弾く
- 単音でドレミファソラシドを弾いてみる
この時、スピーカーから聞こえる音に「バリバリ」「ザザッ」といった不快なノイズが乗っていなければ合格です。生音の大きさは一旦忘れ、出音のクオリティだけに集中して判断するのがコツです。
特定のフレット周辺だけで音が出ないデッドポイントの有無
「6弦の5フレットだけ音が変」「3弦の9フレットだけビビる」といったように、特定の場所だけで異常が発生している場合は注意が必要です。これはネックの局所的な反りや、特定のフレットが浮いてしまっていることによるトラブルの可能性があります。
全体的に軽くビビっているのはセッティングの問題であることが多いですが、ピンポイントでの不具合は物理的な故障の可能性が高まります。この現象を「デッドポイント」と呼びますが、もし発見した場合は無理に自分で直そうとせず、専門家に相談することをおすすめします。
逆に言えば、全体的に均一にビビっている場合は、ネックの状態自体は悪くない可能性が高く、単に弦高が低いだけというケースが多いです。
ギターのビビリが気になるときの簡単な直し方と修理判断

許容範囲内だとわかっても、やはり少しでも改善したいと考えるなら、まずは自分でできる簡単な調整から試してみましょう。高額な修理に出す前に、手元の調整だけで劇的に改善することも珍しくありません。
ここでは、初心者でもリスクが少なく実践できる対処法と、プロに任せるべき場合の費用目安について解説します。
ピッキングの強さを調整しアンプの音量を上げる
ビビリの最大の原因は、実は「弾き方」にあることが多いです。特に初心者のうちは、大きな音を出そうとして無意識にピッキングが強くなりすぎてしまい、弦を必要以上に暴れさせてしまっています。
解決策はシンプルで、アンプのボリュームを上げて、手元のピッキングを弱くすることです。こうすることで、弦の振幅を抑えてビビリを減らしつつ、十分な迫力のサウンドを得ることができます。これは「脱力」と呼ばれる重要なテクニックの習得にも繋がり、演奏の上達にも役立ちます。
また、ピックを弦に対して平行に当てるのではなく、少し角度をつけて(順アングルで)弾くことで、弦の振動方向が整い、フレットへの衝突を軽減できる場合があります。
ネックの反りを目視で確認しトラスロッドで調整する方法
季節の変わり目や湿度の変化でギターのネックは動きます。ネックが反ると弦高が変わり、ビビリの原因になります。軽微な反りであれば、トラスロッド(調整用の鉄芯)を回すことで自分で直すことが可能です。
ただし、回しすぎるとネック破損のリスクがあるため、慎重に行う必要があります。以下は基本的な調整の目安です。
| 状態 | 症状 | 調整方向 |
|---|---|---|
| 逆反り | 低いフレット(1〜5F)がビビる | 左回り(反時計回り)に緩める |
| 順反り | 高いフレット(7F以降)が高くなる | 右回り(時計回り)に締める |
調整を行う際は、必ず45度(1/8回転)ずつ少し回してはチューニングし直し、状態を確認することを繰り返してください。一気に回すのは厳禁です。
振動が不安定になる古い弦を新品に交換する
意外と見落とされがちなのが「弦の劣化」です。錆びたり古くなったりした弦は、均一に振動しなくなるため、フレットに接触しやすくなります。また、弦の裏側に付着した手垢や錆がフレットと干渉してノイズを出すこともあります。
もし3ヶ月以上弦を交換していないなら、まずはダダリオ(D’Addario)やエリクサーなどの新品の弦に張り替えてみてください。これだけで嘘のようにビビリが解消し、音の煌びやかさが復活することも多いです。
弦交換はギターメンテナンスの基本中の基本ですので、ビビリ対策の第一歩として必ず実施しましょう。
どうしても直らない場合のショップ持ち込み費用と相場
上記の方法を試しても改善しない、あるいは自分で調整するのが怖いという場合は、プロのリペアマンに依頼するのが確実です。多くの楽器店では、基本的な調整メニューを用意しており、比較的安価に対応してくれます。
以下は、一般的な楽器店やリペアショップにおける修理費用の相場です(店舗により異なります)。
| 修理内容 | 費用目安 | 作業内容 |
|---|---|---|
| 基本セットアップ | 3,000円〜6,000円 | ネック調整、弦高調整、オクターブ調整など |
| ナット調整・交換 | 5,000円〜10,000円 | 溝の切り直しや新しい牛骨ナットへの交換 |
| フレットすり合わせ | 8,000円〜15,000円 | 凸凹になったフレットを削って平らにする |
特に「基本セットアップ」は、ギター全体のバランスを整えてくれるため、ビビリ解消だけでなく弾きやすさも劇的に向上します。5,000円程度でプロの状態に仕上がるなら、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
ギターのビビリについてよくある質問

まとめ:ギターのビビリは“気にしない”ラインを知っておけばOK
ギターのビビリは、楽器の構造上どうしても発生してしまうものであり、アンプからの音に問題がなければ過度に心配する必要はありません。プロであっても「味」として受け入れている現象です。あまり神経質になりすぎず、演奏を楽しむことを最優先にしてください。
最後に、本記事の要点をまとめます。
- ギターは構造上、弦とフレットが当たって金属音が鳴る楽器である
- 生音でビビっていても、アンプからの出音にノイズがなければ問題ない
- 音が詰まってすぐ消える場合のみ、修理や調整が必要となる
- まずはアンプの音量を上げ、優しく弾くことでビビリを軽減できる
- 弦交換や簡単なネック調整で改善することも多い
- 不安な場合は3,000円〜5,000円程度でプロに全体調整を依頼するのが確実
この記事を読んで「故障じゃなかったんだ」と安心できたなら、今すぐギターを手に取って練習を再開しましょう。あなたのギターライフがより楽しくなることを応援しています。