GrassRoots(グラスルーツ)のギターを調べると、「コスパがいい」という声がある一方で、「安っぽい」「恥ずかしい」といった意見も見かけます。
結論からいうと、GrassRootsは安いだけのブランドではありませんが、上位ブランドのESPやEDWARDSと同じ品質を期待して選ぶギターでもありません。
ESP公式では、GrassRootsを「パーソナルユースに必要十分なスペックを備えるミドルエントリーモデル」と位置づけています。現行ギターは5万円台後半から7万円台のモデルが多く、初心者の最初の一本としても、好みの形を手頃な価格で増やしたい人にも候補になります。
ただし、モデルによってスケール、ピックアップ、ブリッジ、重量感がかなり違います。ブランド名だけで判断せず、欲しい音や形に合うモデルを選ぶことが大切です。
グラスルーツギターの評判を先に整理
GrassRootsの評判は、どの価格帯のギターと比べるかによって変わります。
3万円前後の入門セットと比べれば仕様は充実していますが、10万円を超える上位モデルと比べれば、ピックアップやパーツに差があるのは自然です。
良い評判はデザインと価格のバランス
GrassRootsの強みは、ESP系のデザインや定番シェイプを比較的手に取りやすい価格で選べることです。
G-LPのような定番のLPタイプだけでなく、G-SNAPPER、G-HORIZON、G-M-II、G-ECなど、ESPらしさのあるモデルもそろっています。カラーの選択肢も多く、見た目からギターを選びたい人には魅力があります。
仕様面でも、すべてが簡略化されているわけではありません。
たとえば現行のG-SNAPPER-CTMは、24フレット、HSS配列、ブリッジ側ハムバッカーのコイルスプリットを搭載しています。G-HORIZON-FXはセットネック、24フレット、2ハムバッカー、コイルスプリットという構成です。
旧型のG-LP-60Sを所有した人の個人レビューでは、塗装やフレット、パーツの取り付け状態を高く評価する一方、ノブなど一部に価格相応の印象があると書かれています。
あくまで一個体の感想ですが、本体の基本部分はしっかりしていて、一部のパーツでコストを調整しているというGrassRootsの特徴を考える参考になります。
悪い評判は上位機種とのパーツや仕様の差
悪い評判で挙げられやすいのは、主に次の点です。
- 純正ピックアップに物足りなさを感じる場合がある
- ノブやペグなどの質感が上位モデルとは異なる
- 購入時の調整状態によって弾きやすさが変わる
- LPタイプなど、モデルによっては重量が気になる
- 上位のESPと同じ音や仕上げを期待すると差を感じる
海外のGrassRoots所有者による投稿でも、フレットの仕上げや演奏性を評価しながら、ピックアップには改善の余地があるという感想が見られます。
ただし、ピックアップの好みは使用するアンプや音楽ジャンルでも変わります。最初から交換が必要と決めつける必要はありません。
まずは純正状態で弾き、アンプやエフェクターを調整しても欲しい音にならない場合に、ピックアップ交換を検討するのが現実的です。
ダサい・恥ずかしいと言われるのはブランドイメージの問題
GrassRootsが「ダサい」「恥ずかしい」と言われる理由は、演奏できないほど品質が低いからではなく、ESP系列のなかで入門寄りのブランドと認識されていることが大きいです。
ギターには、ブランド名や価格を気にする人もいます。しかし、ライブや練習で重要なのは、ロゴよりも演奏、音作り、調整状態です。
とくにG-HORIZONやG-SNAPPER、G-M-IIなどは、GrassRootsの価格帯だからこそ選びやすいデザインです。欲しい形が明確なら、周囲のブランド評価だけで候補から外す必要はありません。
反対に、所有する満足感やブランドの格を最優先するなら、最初からEDWARDSやESPも含めて比較したほうが後悔しにくいでしょう。
GrassRootsはESPのどの位置にあるブランド?
ESP系列には複数のブランドがあり、価格だけでなく、販売地域や想定される用途も異なります。
公式ではミドルエントリーモデルに位置づけられている
ESP公式による各ブランドの位置づけは次のとおりです。
| ブランド | ESP公式の位置づけ | 選ぶときの考え方 |
|---|---|---|
| ESP | 最上位ラインナップ | 仕様やブランド、完成度を重視する人向け |
| EDWARDS | コストパフォーマンスを図った日本限定モデル | 上位仕様と実用性を求める人向け |
| GrassRoots | 必要十分なスペックを備えたミドルエントリーモデル | 価格とデザインのバランスを重視する人向け |
| LTD | ESP USAがプロデュースするグローバルスタンダード | 海外展開モデルやモダンな仕様を探す人向け |
GrassRootsは、ESPの形を外見だけ似せた玩具のような位置づけではありません。公式にも「必要十分なスペック」を備えるモデルとして案内されています。
一方で、ESPの最上位仕様を低価格でそのまま再現したシリーズでもありません。この境界を理解して選ぶことが重要です。
ESP・EDWARDS・LTDとの違い
GrassRootsと上位ブランドの違いは、ロゴだけではありません。モデルによって、使用される木材、ピックアップ、ブリッジ、ペグ、フレット、ネックジョイントなどが異なります。
たとえばGrassRootsでは、GH-1GやPRIDEといったオリジナルピックアップを搭載するモデルがあります。上位機種では、異なるオリジナルピックアップや外部メーカー製パーツが採用される場合があります。
ただし、「GrassRootsよりEDWARDSなら必ず弾きやすい」と単純には決められません。
628mmスケールのG-LPと648mmスケールのG-SNAPPERでは、同じGrassRootsでも弦の張りやネックの感覚が変わります。ブランドの上下だけでなく、モデルごとの形と仕様を比べることが先です。
製造国はブランド名だけで一括できない
GrassRootsについて、「すべて中国製」「すべてインドネシア製」といった説明を見かけることがありますが、ブランド全体を一つの製造国でまとめるのは危険です。
年代やモデルによって製造国が異なる可能性があり、中古市場には古い韓国製などの情報が付いた個体も出回っています。現在のESP公式商品ページでは、各モデルの製造国が掲載されていない場合もあります。
製造国を重視する場合は、次の情報を個体ごとに確認してください。
- ヘッド裏や本体にある製造国表記
- 保証書や付属書類
- 商品ページの個体説明
- 型番と製造年代
- 販売店への問い合わせ結果
とくに中古品は、同じような見た目でも年代や仕様が異なります。出品タイトルだけで製造国を判断しないほうが安全です。
グラスルーツは初心者でも長く使える?
初心者がGrassRootsを選ぶ場合、「すぐに買い替えが必要になるのでは」と心配するかもしれません。
長く使えるかどうかは価格だけではなく、弾きたいジャンルに合う仕様を選べるか、購入後に適切な調整ができるかによって変わります。
最初の一本として必要な仕様は備えている
GrassRootsの現行モデルには、一般的な練習やバンド演奏に必要な仕様がそろっています。
G-ST/Rは3シングルコイルとシンクロナイズドトレモロを搭載し、G-LP-STDは2ハムバッカー、セットネック、628mmスケールを採用しています。
モダンなモデルでは、24フレットやコイルスプリット、弦裏通しの固定ブリッジなども選択できます。
初心者だから最も安いモデルを選ぶのではなく、好きな音楽で使いやすいピックアップ配列と、弾きやすいスケールを選ぶことが重要です。
ピックアップやパーツは上位機種と比べて考える
GrassRootsの弱点としてピックアップやパーツが気になる場合は、交換費用まで含めて上位モデルと比較しましょう。
本体を購入してから、ピックアップ、ペグ、電装部品などを一度に交換すると、最初から上位モデルを買う場合との価格差が小さくなることがあります。
一方で、純正状態に不満がなければ交換は不要です。
最初から改造を前提にするより、次の順番で判断すると無駄な出費を抑えられます。
- 購入店で弦高やオクターブを調整してもらう
- 使用するアンプの音を調整する
- 弦の種類や太さを試す
- それでも不足する部分だけ交換する
購入時は調整状態と本体重量も確認する
同じ型番でも、木材による重量差や購入時の調整状態には個体差があります。
とくにオンライン購入では、可能なら実物の重量が掲載された商品を選びましょう。LPタイプは構造上重く感じる場合があるため、立って長時間弾く人はストラップを使った状態も想定しておきたいところです。
購入前には次の点を確認します。
- 実物重量が掲載されているか
- 出荷前の弦高調整に対応しているか
- フレットの端やバリを点検してもらえるか
- 音詰まりやビビりの検品があるか
- 初期不良や調整に関する保証があるか
初心者ほど、価格差だけで販売店を選ばず、購入後の調整や相談ができる店を選ぶと安心です。
現行グラスルーツをタイプ別に選ぶ
現行モデルは、定番タイプからESPらしいモダンシェイプまで幅広く展開されています。
代表モデルの違いをまとめると次のとおりです。価格は2026年8月時点のメーカー希望価格・税込です。
| モデル | 主な仕様 | 向いている人 | 公式価格 |
|---|---|---|---|
| G-LP-STD | 628mm・22フレット・セットネック・HH | 定番のLPタイプが欲しい人 | 69,300円 |
| G-SNAPPER-CTM | 648mm・24フレット・HSS・コイルスプリット | 幅広い音を一本で出したい人 | 68,200円 |
| G-HORIZON-FX | 648mm・24フレット・セットネック・HH | ハードロック系の形と弾きやすさを求める人 | 60,500円 |
| G-M-II-FX | 648mm・24フレット・ボルトオン・HH・弦裏通し | 固定ブリッジのMタイプが欲しい人 | 63,800円 |
| G-EC CTM | 628mm・22フレット・セットネック・HH | モダンなシングルカットを選びたい人 | 74,800円 |
価格や在庫は変わるため、購入時には販売店の表示を確認してください。
G-ST・G-TE・G-LPは何が違う?
定番タイプの3本は、見た目だけでなく、ピックアップやブリッジ、弦の張り感にも違いがあります。
- 音色を細かく切り替えたいならG-ST/R
- 648mmスケール、22フレット、3シングルコイルを採用したSTタイプです。
5ウェイスイッチでピックアップの組み合わせを変えられ、定番のシングルコイル構成を求める人に向いています。
- 648mmスケール、22フレット、3シングルコイルを採用したSTタイプです。
- シンプルな固定ブリッジを選ぶならG-TE/M
- 648mmスケール、21フレット、2シングルコイルのTEタイプ。
アームを使わない固定式ブリッジで、操作系も1ボリューム・1トーンとシンプルです。
- 648mmスケール、21フレット、2シングルコイルのTEタイプ。
- 短めのスケールとハムバッカーならG-LP-STD
- 628mmスケール、22フレット、2ハムバッカー、セットネックという構成です。
G-STやG-TEより弦の張りが少し柔らかく感じやすく、LPタイプの音と弾き心地を求める人に合います。
- 628mmスケール、22フレット、2ハムバッカー、セットネックという構成です。
見た目の好みだけでなく、シングルコイルとハムバッカーのどちらが欲しいか、アームを使うかまで決めると候補を絞りやすくなります。
幅広い音作りならG-SNAPPER
一本で複数のジャンルを弾きたい人には、G-SNAPPER-CTMが有力です。
ネック側と中央にシングルコイル、ブリッジ側にハムバッカーを搭載したHSS配列で、ブリッジ側はコイルスプリットにも対応しています。
648mmスケール、24フレット、5ウェイスイッチを採用しているため、コード、カッティング、歪ませたリードまで対応範囲を広げやすい構成です。
G-STの伝統的な仕様よりも、24フレットやハムバッカーを優先したい人に向いています。反対に、3シングルコイルのシンプルなSTタイプが欲しい場合はG-ST/Rのほうが選びやすいでしょう。
ハードロックやメタルならG-HORIZON・G-M-II・G-EC
ハードロックやメタルを想定するなら、2ハムバッカーを搭載したG-HORIZON、G-M-II、G-ECが候補です。
G-HORIZON-FXは、648mmスケール、24フレット、セットネック、固定ブリッジという構成です。コイルスプリットも付いているため、2ハムバッカーのモデルとしては音色を切り替えやすくなっています。
2026年に登場したG-M-II-FXは、ボルトオンネックと弦裏通しの固定ブリッジを採用しています。アームを使わず、シンプルなHH構成のMタイプが欲しい人に合います。
G-EC CTMは、628mmスケールと22フレットを採用したシングルカットです。G-HORIZONやG-M-IIより短いスケールを選びたい人や、モダンなシングルカットの外観が好みの人に向いています。
中古のグラスルーツを買うときの注意点
中古のGrassRootsは価格を抑えやすい一方、旧型番、仕様変更、改造歴を確認する必要があります。
写真だけでは分からない部分も多いため、現行新品との差額だけで決めないようにしましょう。
旧型番と現行モデル名の違いを確認する
GrassRootsでは、価格改定に合わせてモデル名が変更された例があります。
2024年2月の公式発表では、次のような変更が行われました。
| 旧モデル名 | 新モデル名 |
|---|---|
| G-LP-60S | G-LP-STD |
| G-LP-60C | G-LP-CTM |
| G-SN-CTM | G-SNAPPER-CTM |
| G-SE-50R | G-ST/R |
| G-TE-50M | G-TE/M |
旧モデル名に付いている「50」「60」などの数字だけを見て、現在の販売価格や仕様を判断することはできません。
また、G-TE-50Rなど、公式サイトで生産終了と案内されているモデルもあります。中古を買うときは、似た型番の現行品があるか、同じモデルがすでに廃番なのかを分けて確認してください。
新品との価格差が小さい場合は保証も含めて比べる
中古品は、安ければ必ずお得とは限りません。
購入後にフレット調整、ナット交換、電装修理、ペグ交換が必要になると、新品との差額がなくなることがあります。
中古品では、次の点を確認します。
- ネックの反りとトラスロッドの余裕
- フレットの残量と音詰まり
- ペグやブリッジの状態
- ボリュームやスイッチのノイズ
- ピックアップや配線の交換歴
- ネックジョイント周辺の割れ
- 製造国とシリアル番号
- ケースなど付属品の有無
新品との価格差が小さい場合は、保証、初回調整、送料まで含めて比較しましょう。初心者が状態を判断できない場合は、個人売買よりも調整や返品相談ができる楽器店の中古品が安心です。
グラスルーツのベースの評判も価格帯を基準に考える
GrassRootsのベースも、ギターと同じくミドルエントリーという位置づけを基準に考えます。
定番のJBタイプを求めるならG-JB/R、モダンな形や仕様を選びたいならG-AMAZE、5弦が必要ならG-AMAZE-5-DXが現行候補です。
一方、G-PB/Rは公式商品ページで生産終了と案内されています。在庫品や中古品を探す場合は、現行モデルと勘違いしないよう注意してください。
ベースでは、ブランドの評判だけでなく次の点が弾きやすさを左右します。
- 4弦と5弦のどちらが必要か
- ネック幅が手に合うか
- 本体重量と立ったときのバランス
- パッシブとアクティブの違い
- 弦高を適切に調整できるか
ベースはギター以上に重量やネック幅の影響を受けやすいため、可能ならストラップを付けて試奏しましょう。
グラスルーツが向いている人・向いていない人
GrassRootsが自分に合うかどうかは、価格だけでなく、どこまでの仕様を最初から求めるかで判断できます。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| ESP系の形を手頃な価格で選びたい | ESP最上位と同等の仕様を求めている |
| 5万円台後半から7万円台で探している | ピックアップやパーツの交換を一切考えたくない |
| 最初の一本を楽器店で調整してもらいたい | 特定の製造国であることが必須 |
| G-SNAPPERやG-HORIZONなど欲しい形が明確 | ブランドの格や所有感を最優先したい |
| 必要になった部分だけ後から変更したい | 実物重量を確認せず軽いギターを買いたい |
ブランドをまだ決めておらず、弾きやすさを基準に複数メーカーを比較したい場合は、初心者でも弾きやすいエレキギターの比較も参考にしてください。
まとめ|欲しい形と仕様が合うなら初心者にも候補になる
GrassRootsは、ESP公式でミドルエントリーモデルに位置づけられているブランドです。初心者向けというイメージだけで、品質が悪いと決めつける必要はありません。
ただし、ESPやEDWARDSの低価格版として同じ完成度を期待すると、ピックアップやパーツの違いが気になる可能性があります。
購入前には、次の順番で候補を絞ると失敗を減らせます。
- G-ST、G-LP、G-SNAPPERなど欲しい形を決める
- スケール、フレット数、ピックアップ配列を確認する
- 実物重量と購入店の調整・保証を確認する
- 中古の場合は現行価格と修理費まで比較する
欲しい形と仕様がGrassRootsにあるなら、初心者の最初の一本としても十分に検討できます。周囲のイメージより、実際に弾きたい曲と自分の手に合うかを基準に選びましょう。