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「世界で最も美しいギター」とも称されるゼマイティス。その圧倒的な存在感は、一度見たら忘れられない強烈なインパクトを放ちます。しかし、独特なルックスゆえに「見た目だけのギターではないか」「扱いが難しいのではないか」といった不安を感じる方も少なくありません。
実は、ゼマイティスは見た目の芸術性だけでなく、楽器としての機能性やサウンド面でも極めて合理的な設計がなされています。イギリスで生まれ、現在は日本の精密な技術によって受け継がれているこのブランドは、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層を魅了し続けています。
この記事では、ゼマイティス・ギターの魅力や種類、後悔しない選び方を徹底的に解説します。憧れの1本を手に入れて、あなたの音楽ライフをより輝かしいものにしましょう。

ゼマイティス最大の特徴は、他のギターブランドにはない独創的なマテリアル(素材)とデザインへのこだわりにあります。単なる楽器の枠を超え、美術品のような価値を持つこのギターは、弾く人の感性を刺激し続けてきました。
ここでは、創業者の哲学から、代表的なモデルである「メタルフロント」や「パールフロント」が持つ音響特性について深掘りします。
1950年代、イギリスの家具職人であったトニー・ゼマイティス氏は、友人のためにギターの修理を請け負ったことをきっかけに楽器製作の道を歩み始めました。彼の作るギターは、徹底したハンドメイドによる品質の高さと、常識にとらわれないデザインで瞬く間に評判となります。
トニー氏は、ギターを単なる音を出す道具としてではなく、プレイヤーの個性を表現するアートピースとして捉えていました。顧客一人ひとりの要望に合わせて作られたカスタムメイドのギターは、ロックスターたちの手に渡り、「走る芸術品」としての地位を確立します。
彼が残した設計思想は、現在でもゼマイティスの根幹を成しています。
トニー氏の死後、その遺志は日本の神田商会に引き継がれました。彼の家族や協力者と共に図面や製作データを詳細に分析し、現代の技術でその魅力を再現・進化させています。
ゼマイティスの代名詞とも言えるのが、ボディトップ(表面)に彫金された金属板を貼り付けた「メタルフロント」です。この奇抜なアイデアは、実は「ノイズ対策」という極めて実用的な理由から生まれました。
エレキギターの大敵であるハムノイズを減らすために、トニー氏は金属板で電子パーツをシールドすることを考案しました。結果として、ノイズが減るだけでなく、音の立ち上がりが速く、輪郭のハッキリしたサウンドが得られるようになったのです。
メタルフロントのボディバックには、中低域が豊かで温かみのあるマホガニー材が使用されています。金属パーツによる硬質で煌びやかな高音域と、マホガニーの太い低音域が組み合わさることで、非常にバランスの良いトーンが生まれます。
「金属だからキンキンした耳障りな音がするのでは?」と心配されることもありますが、実際にはアンサンブル(バンド演奏)の中で埋もれない、抜けの良い扱いやすい音色です。
金属プレートには、職人の手彫りやダニー・オブライエン氏のデザインによる美しい彫金(エングレービング)が施されています。リーフ(葉)やドラゴン、スカルなどのモチーフが描かれたプレートは、照明を浴びると複雑に反射し、プレイヤーを華やかに演出します。
メタルフロントと双璧をなすのが、ボディ全体に白蝶貝やアバロン貝(アワビ)などを敷き詰めた「パールフロント」です。こちらは元々、あるギタリストからの「ステージのライトを反射して輝くギターが欲しい」というオーダーに応えて製作されました。
天然の貝殻を一つひとつ手作業で貼り合わせていくため、同じ模様のギターは世界に二つとして存在しません。見る角度によって七色に変化するその姿は、まさに宝石のようです。
| 特徴 | メタルフロント | パールフロント |
|---|---|---|
| 主な素材 | ジュラルミンなどの合金板 | 白蝶貝、アバロン貝などのシェル |
| 音の傾向 | タイトで粒立ちが良い、ロック向き | ややマイルドで艶がある、万能型 |
| 重量感 | やや重めになる傾向がある | 標準的~やや重め(個体差あり) |
| メンテナンス | くすみ取りなどの拭き上げが必要 | 衝撃による割れに注意が必要 |
音質面では、ボディトップに硬い層ができる点はメタルフロントと同様ですが、シェルの方がやや有機的で艶やかな響きを持つと言われています。美しい外観とは裏腹に、力強いロックサウンドもしっかりと出力してくれる頼もしいギターです。
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かつては数百万円クラスのヴィンテージやカスタム品しか存在しませんでしたが、現在は予算や用途に合わせて選べる豊富なラインナップが展開されています。
「本物」のクオリティを追求したハイエンドモデルから、学生や初心者でも手の届くコストパフォーマンスモデルまで、それぞれの特徴と価格相場を整理しました。
本格的なゼマイティスサウンドとルックスを求めるなら、日本国内で製造されている上位グレードの検討をおすすめします。これらは一生モノとして使える品質を誇ります。
トニー・ゼマイティス氏の製作手法を忠実に再現したフラッグシップモデルです。最高級の厳選された木材を使用し、日本の熟練職人が手間を惜しまずハンドメイドで仕上げています。
カスタムショップのクオリティを維持しつつ、生産工程を見直すことで現実的な価格を実現した主力シリーズです。ライブやレコーディングでガンガン使いたいプレイヤーに最適です。
「見た目は好きだけど、いきなり数十万円は出せない」という方のために、コストパフォーマンスに優れたシリーズも用意されています。これらは主に海外工場(韓国や中国など)で生産されていますが、ゼマイティスの設計思想はしっかりと反映されています。
| シリーズ名 | 価格相場 | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| Casimere (カシミア) | 10〜15万円 | メタルフロント等の装飾を再現。 材やパーツでコストダウン。 | 手頃に本格的なルックスを楽しみたい人 |
| Z Series (Zシリーズ) | 8〜12万円 | 装飾を省き、木目を活かした シンプルなデザインが中心。 | 個性的な形状が好きだが派手さは抑えたい人 |
| Element (エレメント) | 6〜9万円 | 最新のエントリーライン。 基本性能を確保した実戦向け。 | ギター初心者、カスタムベースにしたい人 |
これらのモデルでは、高価なマホガニーの代わりにナトー材などを使用したり、複雑な彫金装飾を簡略化したりすることで価格を抑えています。しかし、独特のボディ形状やネックの握り心地などは上位機種譲りです。
中には、安価な中古モデルを購入して、自分で貝のシートを貼ったりパーツを交換したりして改造(カスタム)を楽しむユーザーもいます。高嶺の花だったゼマイティスを、自分の手で理想の形に近づけるのも一つの愛し方と言えるでしょう。
「ゼマイティスはイギリス製じゃないと意味がない」という意見も一部には存在します。しかし、現在の日本の神田商会が手掛けるモデルは、世界的に見ても極めて高い評価を得ています。
その理由は、日本製品ならではの「精度の高さ」と「耐久性」にあります。
トニー氏が生前作っていたギターは「個体差が激しい」「作りが荒い部分がある」というのも事実でした(それも味ですが)。対して現行の日本製モデルは、楽器としての完成度が非常に安定しています。「伝説」よりも「実用性」を取るなら、現行品は間違いのない選択です。
トニー・ゼマイティス氏本人が製作した1990年代以前のオリジナルモデル(ヴィンテージ)は、市場に出ること自体が稀であり、価格も数百万円から時には1000万円を超えるプレミア価格で取引されています。
これらは楽器というよりは「資産」や「コレクション」としての側面が強く、一般的なプレイヤーが気軽に手を出せるものではありません。
中古市場でゼマイティスを探す場合、以下の点に注意が必要です。
初めて購入する場合は、デジマート(楽器検索サイト)などで信頼できる楽器店の在庫を探し、保証のつく個体を選ぶのが賢明です。
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個性的なギターであるため、周囲の評価が気になるという方もいるかもしれません。しかし、歴史に名を残すトップギタリストたちがこぞって愛用している事実こそが、このギターの真価を物語っています。
日本でゼマイティスの知名度を一気に押し上げたのは、間違いなく布袋寅泰氏の存在です。BOØWY時代から現在に至るまで、彼のメインギターの一つとして数多くの名演を支えてきました。
また、GLAYのHISASHI氏も熱烈なゼマイティス愛用者として知られています。彼らのプレイスタイルは異なりますが、共通して評価しているポイントがあります。
海外では、ローリング・ストーンズのロン・ウッド氏が長年の愛用者として有名です。ロックレジェンドたちが選ぶギターには、やはりそれだけの理由があるのです。
インターネット上の検索候補に「ダサい」という言葉が出てくることがあります。これは主に、「装飾が派手すぎる」「成金趣味に見える」「有名アーティストのイメージが強すぎて真似に見える」といった理由からのようです。
しかし、ステージに立った瞬間、その評価は一変します。
暗いライブハウスや広いホールの照明を浴びて、ギラリと光るメタルフロントや妖艶に輝くパールフロントは、他のどのギターよりも観客の視線を釘付けにします。地味なギターでテクニックを披露するのも素敵ですが、ギターそのものが放つオーラを味方につけてパフォーマンスすることは、エンターテイナーとして大きな武器になります。
「ダサい」と言う人は、実際にステージで輝くゼマイティスを見たことがないだけかもしれません。堂々と弾きこなせば、それは最高の個性へと昇華されます。
ゼマイティス、特にメタルフロントを所有する上で避けて通れないのが、金属パーツのメンテナンスです。アルミやジュラルミンのプレートは、手汗や皮脂がついたまま放置すると白く曇ったり(サビの一種)、指紋が定着したりしてしまいます。
美しい輝きを保つためには、日頃のケアが欠かせません。
少し手はかかりますが、磨けば磨くほど輝きを取り戻す姿には愛着が湧くはずです。手間をかける時間さえも、このギターを持つ喜びの一部と言えるでしょう。
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まったく問題ありません。むしろ、現行の日本製モデルなどは作りが非常に丁寧で弾きやすいため、初心者の方こそ上達が早くなる可能性があります。「上手くなってから買う」のではなく、「弾きたくなるギターを買う」ことが継続の秘訣です。予算に合わせてZシリーズなどから検討してみてください。
形状は似ていますが、ゼマイティスの方がネックが薄めで日本人の手に馴染みやすい傾向があります。音に関しては、レスポールのような「太く甘い音」に対し、ゼマイティス(特にメタルフロント)は「レスポンスが速く、輪郭がハッキリした音」です。カッティングや速いフレーズを弾くならゼマイティスの方が扱いやすいと感じる方も多いでしょう。
かつて神田商会がライセンス契約を結び、「Greco」ブランドとして製造・販売していたシリーズです。ヘッドのロゴなどが現在の「ZEMAITIS」とは異なりますが、品質自体は非常に高く、中古市場でも根強い人気があります。「本家ブランド」にこだわらないのであれば、質の高い一本をお得に手に入れる選択肢の一つです。
クセの少ない素直な出音なので、マーシャル(Marshall)やJC-120など、定番のアンプならどれでも綺麗に鳴ります。特に真空管アンプで少し歪ませた時のジャキっとしたサウンドは絶品です。布袋寅泰氏のようなサウンドを目指すなら、コンプレッサーやオーバードライブなどのエフェクター乗りも非常に良いため、音作りの幅は広いですよ。
汎用パーツではないため、一般的な楽器店ですぐに買うことは難しいですが、神田商会や正規取扱店を通じて修理やパーツ交換の相談が可能です。ただし、彫金が施されたプレートなどは交換費用が高額になる場合があるため、やはり日頃からこまめに乾拭きをして、サビを防ぐのが一番のメンテナンスです。
ここまで、ゼマイティスギターの歴史や種類、そして実用性について解説してきました。
ゼマイティスは単なる「派手なギター」ではありません。トニー・ゼマイティスという天才の哲学と、日本の職人技術が融合した、極めて完成度の高い楽器です。メタルフロントのクリアな音色は現代の音楽シーンでも十分に通用しますし、ステージ映えに関しては右に出るものがいません。
高額なカスタムショップ製はもちろん素晴らしいですが、コストパフォーマンスに優れたモデルを手に入れて、自分なりにカスタマイズして楽しむのも素晴らしい選択です。「本物か偽物か」といった他人の評価よりも、「自分がそのギターを愛せるか」が最も重要です。
もしあなたがゼマイティスのデザインに心を奪われているのなら、迷わずその一本を手に取ってみてください。その輝きとサウンドは、あなたのギタリストとしての人生をより一層ドラマチックなものにしてくれるはずです。